国際アルツハイマー病学会でアルツハイマー治療剤の臨床試験データを発表――エーザイ

アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」で知られるエーザイ株式会社は、7月14日から19日までカナダのバンクーバーで開催された国際アルツハイマー病学会2012にて、アルツハイマー型認知症治療剤として開発中のβサイト切断酵素(BACE)阻害剤「E2609」に関する初めての臨床試験結果について口頭発表した。

βアミロイドの脳内の沈着は、アルツハイマー型認知症の病因の一つと考えられており、βアミロイドを減少させることにより、症状改善だけでなく病態の進行を抑制するなどの疾患修飾作用を有する新たなアルツハイマー型認知症治療剤の開発が期待されている。

同社が創製し、アルツハイマー型認知症治療剤として開発中のβサイト切断酵素(BACE)阻害剤「E2609」は、アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することでβアミロイドの総量を低下させるもの。
今回、国際アルツハイマー病学会2012では、「E2609」に関する2つのフェーズI試験である経口投与による単回投与用量漸増試験(A001-001試験)と、14日間の投与による反復投与用量漸増試験(A001-002試験)について発表した。

主な内容は下記の通り。

・A001-001試験では血漿中のβアミロイド量が減少すること、A001-002試験では脳脊髄液中への本剤の移行量が用量依存的に増加するとともに、脳脊髄液中βアミロイドが統計的に有意に減少することを確認した。
この結果により、ヒトにおいても本剤のBACE阻害作用によりβアミロイドの産生が抑えられるという「Proof of Mechanism」が証明された。

・A001-001試験は、73名の健康成人を対象とした無作為化プラセボ対照、二重盲検、単回投与用量漸増試験で、5mgから800mgまで9つの投与量群に分けて、投与前と投与後144時間後までの血漿中のβアミロイド(Aβ1-x)レベルを測定。投与前と比較した血漿中のAβ1-xの減少率は、5mg投与群で
最大52%、800mg投与群で最大92%に達した。

また、800mgまでのすべての投与量群において良好な忍容性を示し、主な副作用は頭痛およびめまいであった。

・A001-002試験は、50名の健康成人を対象とした無作為化プラセボ対照、二重盲検の14日間の反復投与用量漸増試験で、25mg/日から400mg/日までの5つの投与量群に分けて、血漿中および脳脊髄液中のAβ1-xレベルの測定を行った。

本試験の中間予備解析結果によると、E2609は、25mg/日から200mg/日までの投与量群において、血漿中のAβ1-xが顕著に減少し、さらに用量依存的に脳脊髄液中のAβ1-xが減少した。投与前と投与14日後の脳脊髄液中のAβ1-xの減少率のプラセボとの差異は、25、50、100、200mg/日でそれぞれ、46.2%、61.9%、73.8%、79.9%であり、統計学的に有意な減少を示した。

200mgまでの投与群においては重大な安全性に関する懸念は認められなかった。なお、200mg投与群で見られた口唇ヘルペスの再発に関しては評価中であり、薬剤との因果関係は不明。

◎エーザイ株式会社

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