家族で話し合おう

■「介護の始まり」は突然に、「介護の終わり」は未定

いつやってくるのかわからない・いつまで続くのかわからないのが介護です。一方で、核家族化・少子化・晩婚化・共働きなどの要素が絡み合い、家族だけで介護を担っていくのは大変難しく、いかに協力者を得てチームを組んで、介護サービスを上手に利用していくかが鍵となっています。

■話し合いは兄弟全員で

<コラム>
最近では、子が独身のうちに親が倒れたため、介護のために結婚もできず、仕事を辞めたので収入も途絶え、親の年金で生活しながら介護する、という事例も。親を見送った頃には、自分もシニア世代にはいり、再就職どころか生活費の工面もできず…などという悲劇も増えています。
将来を見据えた介護というのは、介護者自身の将来も含めたものです。いかに仕事と両立をさせていくかは、大切な視点となっています。

万一親が倒れて介護が始まっても、「大切な親だから」「かわいそうだから」と、最初から頑張りすぎると、介護する家族が先に倒れてしまいかねません。

仕事を辞めず、自分も倒れずに乗り切るには、早いうちからの「介護計画」を立てておきましょう。そのためには、親が元気なうちから、「万一、将来倒れたらどうしたい? 私たちにどうしてほしい?」と、「親の将来」について話題にすることをためらわない勇気が必要です。

そして、兄弟姉妹が集まることがあったら、高齢の親の今後について真剣に話し合い、なにができて、なにができないかを定期的に話し合うことも必要です。すでに介護が始まっているなら、「月々どれくらい費用が必要で、どれくらい手が足りないか」を、1週間のスケジュールや介護家計簿をもとに、具体的に話し合います。

子世帯もそれぞれに家庭があり、「子供にまだお金がかかるから」「住宅ローンが」「妻の親の介護が」など、さまざまな事情があります。
しかし、親を見送るのは子のつとめ。来られないなら金銭的負担を、近所にいても仕事があるなら「週末だけ」や毎日の電話による安否確認など、やってもらえることは必ずあります。後にしこりを残さないためにも、こうした不公平感のない「分担」は絶対に必要です。ここをおろそかにすると、後々財産分与などで必ずもめるもととなります。

■同居の場合

もし同居している親に介護が必要になったら、まずはもっとも身近にいる人が「主介護者(リーダー)」になりましょう。要するに「窓口の一本化」です。ケアマネジャーや介護事業所の折衝、毎日の介護スケジュール、介護サービススケジュールの把握、介護に必要なお金の出し入れ、病状等の把握や先の見通しなども、主介護者が責任を持ちます。

ここで間違っていけないのは「主介護者=介護をする」わけではないということです。状況を把握し、指示を出すだけでもいいのです。あなたが女性で、お金の話や介護の分担を夫の両親や兄弟に言いにくいなら、ここはぜひ、夫に主介護者になってもらい、伝えてもらいましょう。

一人っ子同士の世帯などでは、最近では「自分の親は自分が看る」のが主流になっています。家事のできない息子であっても、ご近所や近くの親類などに「親を頼みます」と頭を下げに回ったり、介護事業所との折衝はできるはずです。つまり自分の親の介護は、自分が「主介護者」となるのです。

■遠距離の場合

「離れて暮らしているから親の介護はできない」。そう考えていても、現実は「病院には長くいられない」(「社会的入院」はほぼできなくなりつつあります)、「公的施設はどこもいっぱい」。そして、高齢になればなるほど、親世帯は「住み慣れた自宅を離れたくない」と考えるものです。たとえ有料老人ホームの高額な一時金をポンと支払えたとしても、「ここ(自宅)で暮らしたい」と願う親の気持ちを無視してはいけません。

「自宅で介護を受けながら暮らす」――介護保険はそのための制度ですが、それだけではもちろん十分ではありません。なぜなら、ヘルパーさんは選べませんし、毎日24時間一緒にいてくれるわけでもありません。いまだに「他人を家に上げる」のをよしとしない世代や地域もあります。

そこで、地域に根付いた暮らしをしている親世帯なら、お隣さん、民生委員、そしてもっとも近くにいる親戚縁者など、徹底的にご近所を巻き込みましょう。帰省の際には、ちょっとした手土産を渡すだけでも、「気にかけてくれる」度はグンとアップします。
定期的に訪れる配達員さん(新聞、牛乳・ヤクルト、宅配業者など)の事業所には、あらかじめ「○○日音沙汰がなかったら連絡をください」と連絡先を伝えておくのもいいでしょう。安否確認にはさまざまなサービスがありますが、毎日お弁当を手渡しし、安否を確認。異常があれば連絡してくれる「配食業者」などもあります。

かかりつけ医にも一度挨拶に行き、自分たちの連絡先を伝えます。そして、万一の場合は往診が可能かどうかも確認しましょう。親の友人・知人の連絡先も把握できれば万全です。
もちろん、親の健康状態・病状、服薬している薬の種類、病院の連絡先の把握は必須事項です。すでに介護保険を使用しているなら、そこにケアマネジャーの連絡先、サービス提供事業所の連絡先も加わります。

遠距離介護には交通費もかかります。ANA、JALには「介護帰省割引」があり、介護のための航空機利用であることが証明できれば、航空運賃の割引を受けられます(最大4割程度)。しかし鉄道にはそのような割引がないため、月に何度も遠距離を移動するのは、肉体的負担より経済的負担のダメージのほうが大きいことも。
そこで、親の懐具合にもよりますが、「介護の費用は受ける当人(親)が出す」という考え方もあります。自分たちの経済状況とも照らし合わせ、「介護帰省」の費用を親に負担してもらうことも考えましょう。

<航空会社の介護割引> 2012年7月25日現在

※各社のサービス名称、利用条件などは、各社の判断で変更となる可能性があります。
 詳細については、各社のウェブサイトをご確認の上、ご活用ください。

日本航空(JAL)

名称:介護帰省割引
利用条件

  • 要介護・要支援被認定者(介護を必要とされる方)の「二親等以内の親族の方」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」
  • 「介護帰省パス」の発行、または「介護帰省割引のお客さま情報登録(JALマイレージバンク(JMB)会員の方が対象)」のいずれかが必要。
    詳細はhttp://www.jal.co.jp/dom/rates/rule/r_kaigo.html

全日空(ANA)

名称:介護割引
利用条件

  • 要介護または要支援認定された方の「二親等以内の親族の方」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」
  • 「介護割引情報登録」が済まされているANAマイレージクラブカードが必要。

その他

スターフライヤー(SFJ)

名称:介護割引運賃
利用条件

  • 要介護・要支援被認定者ご本人およびその介護者(2親等以内の親族、配偶者の兄弟姉妹の配偶者ならびに子の配偶者の父母に限る)の方。
  • 「介護割引パス」の申請が必要」

その他

スカイネットアジア航空(SNA)

名称:介護特別割引
利用条件

  • 要介護・要支援被認定者および、その介護者の方。介護者(介護する方)は要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」のうち
  • 「介護割引パス」の申請が必要。
    詳細はhttp://www.skynetasia.co.jp/fare/price/nursing.html

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