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ケアマネへの影響は？５分でわかる衆院選公約―【前編】

第49回衆院選が19日公示され、各党の候補者は、31日の投開票に向けた選挙戦に突入した。今回の選挙はケアマネジャーにどう影響するのか―。介護分野を中心に、与野党の主な選挙公約をまとめた。

前編では、与党（自民・公明党）の選挙公約を見ていきたい。

＜自民党＞

■「公的価格のあり方抜本的に見直す」

自民党が、最初の重点項目として掲げたのが新型コロナ対策だ。ワクチンについては、希望者全員への接種を「11月早期までに完了する」と明記し、「エビデンスに基づき、3 回目の追加接種について準備を進める」としている。また、今後の「感染症有事」に備え、「人流抑制や医療提供体制確保のための方策について、国民的議論を踏まえ、行政がより強い権限を持てるための法改正を行う」としている。

介護分野については、「全ての世代が安心できる、医療、介護、年金、少子化対策をはじめとする社会保障全般の総合的な改革をさらに進め、持続可能な全世代型社会保障を構築する」と強調。質の高い介護人材を確保するため、さらなる処遇改善を進め、「介護離職ゼロ」を目指す方針も改めて示している。

さらに、「看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士をはじめ、賃金の原資が公的に決まるにもかかわらず、仕事内容に比して賃金の水準が長い間低く抑えられてきた方々の所得向上に向け、公的価格のあり方を抜本的に見直す」としている。

■ケアマネ国家資格化、トーンダウンか

自民党は国政選挙の際、「J-ファイル」という名の総合政策集を公表している。これは、政権獲得後に実施する政策を掲げた「政権公約」の位置づけではないが、党内の手続きを踏まえており、自民党の政策の方向性を知る上で重要な参考資料となる。

今回の「J-ファイル」では、直近2回の選挙時（2017年衆院選、19年参院選）と同様、「誰でも公平にケアマネジメントが受けられるように、居宅介護支援費に関しては、介護保険制度で全額を賄う現行制度を堅持する」とし、いわゆる“ケアプラン有料化”に反対する方針は変わっていない。

一方、直近2回の選挙時には、「社会保障制度において重責を担う介護支援専門員の国家資格化を目指す」としていたが、今回この文言は削除された。

◎自民党のホームページ

＜公明党＞

■子育て世帯に「未来応援給付」を支給

公明党は、「日本再生へ　新たな挑戦。」を選挙公約のスローガンとして掲げた。特に目立つのが、新型コロナ関連の政策だ。

将来の新たな感染症の危機に備え、国産のワクチンや治療薬の開発を国家戦略に位置づけ、「必要な法整備を行うとともに、早期に実用化を図る」としているほか、質の高い国産の経口薬の開発を強力に支援し、「早期の治療に十分な量を迅速に確保する」としている。

ワクチン接種については、「感染状況も踏まえて来年も無料で実施する」とし、PCR検査の体制に関しては、「現状１日33万件から100万件への大幅な拡充」を進めるとしている。

さらに、コロナ禍の長期化で大きな影響を受けている子育て世帯への支援策として、０歳から高校３年生までを対象に、1人10万円相当の「未来応援給付」を支給するとしている。

このほか、地方創生の観点から、各自治体が取り組んでいる奨学金返還支援を拡大するとともに、都市部においては、「介護など人材不足の仕事に従事する人に対して、奨学金返還支援の実施を促す」としている。

高齢者関連では、予約して利用できる乗合タクシーの利用補助や、バスや鉄道といった公共交通機関の割引など、地方自治体や交通事業者と連携した取り組みを拡充し、足の不自由な人の移動をサポートする。さらに、小型の電気自動車（EV）を購入する際の補助金を大幅に増やすことで、購入を後押しするほか、電動アシスト自転車や電動車いすの普及促進を強力に進めるとしている。

■ケアマネの処遇改善、国家資格化検討を明記

重点政策の位置づけではないものの、選挙公約の本体部分となる「政策集」では、「『地域包括ケアシステム』の要となるケアマネジャーの専門性の向上と処遇改善を図るとともに、国家資格化を検討する」と明記されている。

◎公明党のホームページ