来年春の運営基準の見直し案では、科学的介護の実現に向け、全ての介護サービス事業者に対して、「CHASE」(利用者の状態・ケアなどの情報)と「VISIT」(通所・訪問リハビリにおけるリハビリ計画などの情報)を活用した計画を作成、事業所単位でのPDCAサイクルを推進し、ケアの質を向上させることを「推奨する」とする内容も盛り込まれている。
2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」では、自立支援と重度化防止の効果が科学的に裏付けられた介護を実現させるため、新たにデータベースを構築する方針が打ち出された。
データベースは、▽要介護認定情報・介護レセプトなどの情報▽VISIT▽CHASE▽基本チェックリストなど地域支援事業の情報―の4つの柱で構成される。18年度の介護報酬改定に伴い、「VISIT」のデータ提出を進めるための加算が新設。今年度からは「CHASE」の運用もスタートし、データベースの構築に向けた取り組みが本格化している。
今回の見直し案は、「CHASE」と「VISIT」のデータの収集や活用などをさらに進めることが狙い。主に介護施設や通所介護事業所、居住系サービスなどを想定したものだが、社会保障審議会介護給付費分科会がまとめた意見書(審議報告)では、居宅介護支援事業所について「各利用者のデータ及びフィードバック情報のケアマネジメントへの活用を推奨する」としている。
■認知症の取り組み状況などの公表も義務化へ
運営基準の見直し案にはないが、同分科会の意見書では、介護サービス事業者の認知症対応力の向上などを図るため、居宅療養管理指導以外の全事業者に対して、認知症に関する取り組みの状況などを「介護サービス情報公表制度」で公表するよう求めており、こちらも来年春に実施される見通しだ。