ケアマネも直面する感染リスク、日々続く「綱渡り」

20日、名古屋市はデイサービスへの休業要請を解除した。その前日、北海道は緊急事態宣言を終了した。だが、これで在宅の現場が“いつもの日々”を取り戻したわけではない。現場のケアマネジャーやヘルパーらは、自らも感染しかねないリスクにおびえながら、日々、綱渡りのようなサービス提供を強いられている。

23日、記者会見した名古屋市の河村たかし市長は、デイサービスへの休業要請の解除を踏まえ、改めて、次の点を強調した。

「(デイサービスの休業は)市が要請したことであり、全額補償する」

名古屋市が休業を要請したのは、同市緑区と南区の計126事業所。7日から2週間の休業を求めた。市によると113事業所のうち、少なくとも58事業所が休業し、53事業所が規模を縮小して営業した。

■金曜日の休業要請決定が混乱を招いた
同市南区でケアマネとして働く大河内章三さんは、次のように話す。

「休業要請が決まったのは6日。金曜日であった上、デイサービスへの通知やテレビでの報道が先行し、ケアマネへの連絡が遅くなったことで、誰もがその後の対応に苦労しました」

利用者へのサービスの調整のため、週末の7日や8日も勤務せざるを得なかったケアマネも少なくなかったという。

大河内さんが担当する利用者の中にもデイサービスを使う人が十数人いた。

「ヘルパーを使っている人には、デイサービスの分を訪問介護の追加でフォローするよう、お願いしました。ご家族に支援をお願いした人も少なくありません。ご家族の支援もヘルパーの確保もできない人については、通所リハビリを使ってもらうなどの対応をしました」

休業要請があった翌週から、入浴サービスだけを実施したり、スタッフが利用者宅に出向いてサービスを提供したりするデイサービスも出始めた。しかし、それでも、利用者全員に対応できる提供量ではなかった。

「入浴については、皮膚疾患がある方など緊急性の高い方を優先し、そうでない方はしばらく我慢していただくなど、利用者の状態に応じた臨時の工夫をせざるを得ませんでした」

■まだ残る「突然のサービス休止の恐れ」
21日以降は、サービス提供体制そのものは、ほぼ通常のレベルまで回復したという。ただし、現場を担うケアマネや介護職員は、大きな不安を抱えたまま、業務にあたっている。

「自治体の方針もあり、経過観察が必要な人が誰か分からない状態で日々の業務を続けざるを得ません。その結果、従業員が感染してしまい、休業した訪問介護事業所や通所介護事業所もあります。つまり、『昨日まで使えていたサービスが、明日、突然使えなくなる』という事態は、まだまだ起こり得る。さらに言えば、ケアマネ自身が感染する可能性もあります」

■北海道は34事業所が自主休業
一方、ケアマネジメント・オンラインの取材によると、北海道内にある約1500のデイサービス事業所のうち、新型コロナウイルスの影響で休業が確認されているのは34事業所。このうち8事業所は札幌市で、中核市の旭川と函館では、現時点で休業は出ていないという。道によると、残る26事業所(3月11日現在)は、道内の各地域に点在している。

札幌市の担当者は、「訪問に切り替えたり、他の場所で対応したりしている事業所もあるため、完全休業になると件数は減る」と話す。一方、ケアマネへの影響については、「今の段階では、『困っている』という声は聞こえてこない」という。道の担当者も、「今後、件数が増えてくれば話は別だが、現時点では、何とかサービスの調整をしていただいている状況だ」と語った。

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