市町村が社会福祉協議会などに委託する認定調査業務について、厚生労働省は、ケアマネジャー以外の職種も行うことができるよう、年度内に介護保険法の施行規則などを改正する方針だ。3日付で都道府県に出した事務連絡で明らかにした。次期制度改正のメニューの一つだが、保険者からの要望が強いため、4月から前倒しで実施する。
認定調査は原則、保険者が行う必要がある。業務負担などを減らす目的で、▽社協や地域のケアマネ協会など、都道府県知事の指定を受けた法人(指定市町村事務受託法人)▽居宅介護支援事業所▽地域密着型特別養護老人ホーム▽介護保険施設▽地域包括支援センター▽ケアマネ個人―に委託することができるが、受託した法人などで調査を担える職種は法律上、ケアマネのみとなっている。
近年、全国的にケアマネ不足が叫ばれる中、委託先でケアマネの確保が困難なケースもあることから、同省は、指定市町村事務受託法人への委託に限り、他の職種も認定調査を行うことができるよう、介護保険法の施行規則などを改正することを決めた。
■基本はケアマネ、他職種は「補完」
新たに加わるのは、▽医師▽歯科医師▽薬剤師▽保健師▽助産師▽看護師▽准看護師▽理学療法士▽作業療法士▽社会福祉士▽介護福祉士▽視能訓練士▽義肢装具士▽歯科衛生士▽言語聴覚士▽あん摩マッサージ指圧師▽はり師▽きゅう師▽柔道整復師▽栄養士(管理栄養士を含む)▽精神保健福祉士―の21職種のほか、施設などで相談援助業務を行う生活相談員らも対象となる。いずれも、介護現場での実務経験が5年以上必要だ(※編注:資格に基づく実務経験ではない)。
このほか、認定調査の経験が1年以上ある人も対象となる。厚労省側は、自治体職員のOB・OGや認定調査の経験がある元ケアマネらを想定している。
調査を担当する場合は、いずれも認定調査研修を修了する必要がある。ただ、事務連絡で同省は、指定市町村事務受託法人が行う認定調査はケアマネが基本とし、他の職種に関しては「認定調査を補完的に可能とする」としている。