この春に創設された介護医療院の施設数は6月末現在、全国で21施設にとどまり、32都府県では開設されていないことが、厚生労働省の集計で分かった。類型別では、人員配置基準がより厳しい「I型」が全体の6割を占め、都道府県別では長崎が3施設で最も多かった。
介護医療院の開設状況について、厚労省が集計結果を公表するのは2回目。今回の集計で、介護医療院は21施設(1400床)となり、前回(4月末現在)から16施設(1017床)増えた。21施設はすべて転換で、転換前のベッド種別では、転換老健が629床に上る。
介護医療院は、介護療養病床の機能強化型に相当する「I型」と、転換老健に相当する「II型」の2区分で、「I型」は、重症者や身体合併症を持つ認知症高齢者の割合が半数以上など、より医療の必要度が高い内容となっている。21施設のうち、「I型」は13施設(781床)だった。
都道府県別で見ると、長崎が3施設で最も多く、次いで北海道、山口、徳島、香川の4道県が2施設で続き、残る10県は1施設だった。長崎はベッド数もトップだった=グラフ=。
介護医療院を開設するには、自治体が条例を制定する必要がある。厚労省によると、全国の121自治体のうち、前橋市やいわき市など9自治体では、6月末時点で条例が施行されていなかった。また新設などの際は、都道府県の総量規制の対象となるが、110自治体では、第7期介護保険事業支援計画で新設を見込んでいないという。