来年アリセプト以外の新薬認可!常に勉強が必要――聴講レポ1

高齢者の尊厳を重視した排泄ケアをテーマに、社会福祉法人こうほうえん主催のシンポジウム「ハカルことで分かる尊厳ある排泄ケア」が、10月9日に都内で開催された。どしゃぶりの雨にもかかわらわず、朝から100名もの参加者が会場に詰めかけ、排泄ケアへの関心の高さをうかかがわせた。午後には福島県や鹿児島県の施設で取り組んだ排泄ケアの実践報告も行なわれた。

品川区の後援を受けた本シンポジウムは、高齢福祉課長・冨岡正明氏による開会挨拶の後、国立長寿医療研究センター内か総合診療部長の遠藤英俊氏の講演からスタート。

老年医学の専門家である遠藤氏は、「次期法改正でも認知症対策はホットな話題だ」と、認知症研究の最前線について報告した。遠藤氏によると、現在アルツハイマー型認知症の治療薬は、国内でアリセプト(一般名:塩酸ドネペジル)しか承認されていないが、来年、アリセプト以外に3つの薬が認可される予定。

新薬の1つ、「メマンチン」をアリセプトと併用すると、現在3年程度遅延できるアルツハイマー型認知症の進行が、5年程度にまで引き伸ばせるという。そのほか「リバスチグミン」は、湿布のように貼るタイプなので、日付を書くこともでき、介護者が薬剤の使用状況を確認しやすいといった具体的な新薬の情報が伝えられ、参加者らは熱心にメモを取っていた。

また遠藤氏は、「アリセプトの特許が来年切れる。ジェネリック医薬品(後発医薬品)が出回れば、現在はコストが課題となって認可されていない老人保健施設での認知症治療薬の使用が実現できる」と述べ、安価な認知症治療薬の普及を示唆した。

さらに、アルツハイマー型認知症の新たな診断法としては、従来のCTMRIや問診する神経心理といった検査以外に、特殊な薬剤を注射し、脳内のベータアミロイドの分布を画像化できる「アミロイドPET」と呼ばれる検査を紹介した。遠藤氏は「この検査では、脳の中で認知症の病変が出現しているのに行動には現れないといった、早期段階での診断ができる」とメリットをあげた。

排泄の現状について、遠藤氏は、シンポジウムを共催したNPOシルバー総合研究所の調査結果を引いて、おむつをつけるきっかけとなった疾患では、脳卒中や失禁よりも認知症が多かったことを報告。「おむつの始まる場所は病院が多く、いまだ看護師の多くが“おむつをはずせない”と思い込んでいる」と指摘した。一方で、おむつはずしへの取り組みも地道に行われていることを、続く講演で学んでほしいと後をゆだねた。

遠藤氏は「良いケアとは自分がしてほしいケアだと思う。認知症排泄ケアも、最新のケアの手法と言われても2〜3年でどんどん変わっていく。常に勉強する必要がある」と語り、尊厳あるケアに向けた自己啓発を参加者らに呼びかけた。

暗闇に一晩中、目をこらした排泄ケア――聴講レポート2へ続く

■取材協力
社会福祉法人こうほうえん
NPOシルバー総合研究所

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