認知症の家族がいて、自身についても不安をもつ人の26.8%が予防策に取り組んでいることが、クロス・マーケティングが実施した調査でわかった。
調査は、20~69歳の男女1,000人を対象にインターネットで行ったもので、内訳は、認知症の家族がいる男性138人・いない男性362人、認知症の家族がいる女性78人・いない女性422人。
認知症に対する不安感の有無では、約半数が「不安がある」(「とても不安がある」「やや不安がある」の合計)と回答した。男性の場合、認知症患者の家族がいる場合は71%、いない場合は42.2%だったが、女性はいる場合は84.6%、いない場合は65.2%で、男性よりも女性の方が認知症に対する不安が大きいことがうかがえた。
一方、認知症予防のための対策意識では、「取り組む予定はないがいずれ取り組みたいと思う」が全体の49.9%で最も多く、次いで「取り組む予定はなく、取り組みたいとも思わない」24.0%、「まだ取り組んでいないが、いずれ取り組む予定」15.8%、「すでに取り組んでいる」10.3%と続いた。認知症の家族がいて、自身についても認知症に不安をもつ人では、26.8%が「すでに取り組んでいる」と回答した。
今後行いたい予防策では、「経済的負担が大きくないことを行いたい」が47.7%で最も高かった。認知症患者の家族あり・なしで比較すると、「効果やエビデンス(根拠)があることを行いたい」で約13ポイントの差があり、認知症患者の家族がいる人は予防策に対して効果や根拠を重視している傾向がうかがえた。
知っている予防策・具体的に取り組みたい予防策では、「ウォーキングをする」「人とよく話をする」との回答が高かった。また、知っている予防策では、運動系や「日記や手紙、メールなど文章を書く」「計算をする」といった項目の割合が高いが、具体的に取り組みたい予防策では「緑茶を飲む」「チョコレートを食べる」などの食事系の割合が多いという違いがみられた。
◎クロス・マーケティング 認知症に関する意識・実態調査
https://www.cross-m.co.jp/report/health/dm20160623/