厚生労働省は3月31日、2回目の「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」を開いた。この日の議論では、福祉用具を貸与する場合と購入する場合では、ケアマネジメントやメンテナンス、モニタリングに大きな違いがある点を問題視する意見が続出。福祉用具だけを購入し、他の介護サービスを使わない利用者にも、貸与と同じようなケアマネジメントやメンテナンスを行うべきとする声もあがった。
厚労省は、貸与を原則とする現行の福祉用具の基本的な考え方を見直すべきかどうかについて、検討会に議論を求めた。
また、福祉用具貸与では用具を提供した後も福祉用具専門相談員がモニタリングやメンテナンスを行うことが規定されているが、販売の場合、こうした規定はない。同様に福祉用具を購入しただけの利用者には、ケアマネジャーによる支援もない。この現状も議論すべきポイントとして示された。
■貸与か販売か―より柔軟な選択の実現を求める声も
議論では、「なぜ、販売された用具をメンテナンスする規定がないのか」「購入した用具を使う人には、ケアマネジメントは必要ないのか」など、現状を問題視する意見が続出した。
貸与を原則とする現在の仕組みについては、多くの委員が維持すべきと述べた。また、福祉用具だけを購入して使う人をケアマネジメントの対象としたり、福祉用具専門相談員のモニタリングやメンテナンスを受けられるようにしたりした上で、貸与か購入かをより柔軟に選択できる仕組みを導入すべきと主張する委員もいた。
■財政審の主張は「乱暴」「印象操作的」
この日、厚労省は、財政制度等審議会(財政審、財務大臣の諮問機関)が福祉用具を長期間使い続ける場合、貸与より購入の方が経済的と主張している点についても、改めて議論を求めた。
委員からは、「長く使えば貸与より販売の方が安く済む、といっても使い始める段階で長く使うかどうか、判断するのは難しい」など、その主張の問題点を指摘する声が噴出。中には「乱暴な主張」「印象操作的」など、厳しい批判の声も上がった。