利用者の命にも、生活の質にも大きな影響をもたらす心不全。ケアマネジメント・オンラインの調査では、ケアマネジャーの約9割が心不全の利用者を担当していることがわかった。その一方、約半数のケアマネは心不全について学ぶ機会が全くない状況に置かれていることも明らかになった。
高齢化の進行に伴い心不全に悩む人も増え続けている。2005年では、その数は100万人に届いていなかったが、30年には約130万人に達すると予測されている。こうした状況を踏まえケアマネジメント・オンラインでは、会員に対し、心不全に関するアンケート調査を実施した。
アンケートでは担当している利用者の中にどのくらい心不全の人がいるかを尋ねた。その結果、回答者の89.4%が心不全の利用者を担当していることが判明した。
一方、「心不全について勉強をする機会」について尋ねたところ、「全く(機会が)ない」と答えた人が48.8%となった。=グラフ1=
■原因まで把握できているケアマネは3割程度
心不全と診断されている利用者について具体的に把握していることを聞いた質問では、「心不全とだけ把握している」が46.9%となり、原因疾患まで把握しているケアマネは34.5%にとどまった。=グラフ2=
■医療者との連携、「できている」は3割程度
また、心不全について医療者との連携ができているかという問いに対し、「できている」(「よくできている」と「できている」の合計)」と回答した人は32.9%にとどまった。最も多かったのは「どちらともいえない」(50.6%)で、「できていない」(「全くできていない」と「あまりできていない」の合計)は16.5%だった。
調査は2 月12 日から月17 日にかけて居宅介護支援事業所か地域包括支援センターに勤務するケアマネに対して実施。565人から回答を得た。