「用具のみプラン」への対応も議論-厚労省が検討会立ち上げ

2024年度に予定される介護報酬改定などを見据え、厚生労働省は17日、福祉用具をめぐる課題を洗い出し、対応策を探るための検討会を立ち上げた。現在は福祉用具貸与の対象となっている「杖」や「手すり」などの販売への移行の是非などが検討される予定だ。また、財政制度等審議会(財政審、財務大臣の諮問機関)から介護報酬削減を求められている「福祉用具のみのケアプラン」についても、新たな対応の是非が議論される見通し。

■「貸与から販売へ」「用具のみプランの報酬減」を求める財政審
財政審は、20年の「財政健全化に向けた建議」(建議)に、要介護度に関係なく給付対象となっている廉価な品目(歩行補助杖、歩行器、手すりなど)について、貸与ではなく販売にすべきとする提言を盛り込んだ。

この年の建議では、歩行補助杖を3年間使用する場合のシミュレーション(図)まで示した上で、「借りるより買う方が安いのに、借りる方が選ばれるという非常識が横行してはならない」と訴えている。



さらに21年の建議では、福祉用具貸与だけのケアプランを作成したケースについて、報酬の引き下げを行うことを提言した。また、「法人・上司からの圧力で、自法人のサービス利用を求められたという経験を見聞きしたケアマネが約4割いる」「介護報酬算定のため、必要のない福祉用具貸与等によりプランを作成したケアマネが一定数いる」などの課題も指摘。あわせてケアプラン有料化の必要性も改めて主張した。

■「手すり」「杖」などの販売への移行の是非も議題に
こうした指摘も踏まえ、厚労省は「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」を設置。17日の第一回会合で、次の論点を示した。

(1)福祉用具貸与特定福祉用具販売の対象品目の整理
(2)福祉用具貸与を利用している人へのケアマネジメント
(3)福祉用具貸与等における販売制度導入を含めた適正化方策
(4)福祉用具貸与等における安全な利用の促進、サービスの質の向上

このうち(1)は現在、福祉用具貸与で扱われている「手すり」や「杖」の販売への移行の是非が主な検討内容となる。そして(2)の主なテーマは「福祉用具貸与だけのケアプラン」だ。

第一回会合では、岩元文雄委員(全国福祉用具専門相談員協会 理事長)や田中紘太委員(マロー・サウンズ・カンパニー 代表取締役)、濱田和則委員(日本介護支援専門員協会 副会長)らが、利用者負担の増加や利用者の身体機能の悪化などの懸念から財政審の建議に反対する姿勢を明示。一方、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、財政審の建議に理解を示した。また、安藤道人委員(立教大学経済学部准教授)は、福祉用具貸与のみのケアプランの報酬を削減した場合、報酬削減を避けるため、必要ないサービスをプランに位置付けようとするケアマネが出てしまう可能性もあると指摘した。

介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」は、24年度に予定される介護報酬改定を見据え、今年夏までに中間とりまとめを行う予定だ。

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