「1人ケアマネでも経営できる環境を求め続ける」-柴口会長インタビュー・前編

今年、2024年度の介護保険制度改正を見据えた議論がスタートする。24年度は診療報酬との同時改定が予定される年だけに、介護保険制度にも大きな変化がもたらされる可能性が高い。その議論を前に、日本介護支援専門員協会の柴口里則会長は、「1人ケアマネでも経営していける経営環境の実現を求め続けたい」と強調する。21年度の介護報酬改定の総括と24年度の介護保険法改正・介護報酬改定への展望を聞いた。

■「21改定は平均年収500万円への第一歩」
―21年度の介護報酬改定(21改定)では、居宅介護支援の基本報酬の単位数は引き上げられました。他のサービスに比べても、その引き上げ率は高かったように思います。
ずっと以前から繰り返し指摘してきた通り、居宅介護支援事業所のケアマネジャーの処遇を改善するには、基本報酬を上げるのが最も近道です。そういう意味では、21改定で基本報酬が引き上げられたことは、評価できると思います。

ケアマネの平均年収は最低でも500万円-。いつも言い続けている目標ですが、その実現に向けた第一歩と位置付けられるでしょう。

居宅介護支援の基本報酬の引き上げは、介護事業経営実態調査での「赤字」を解消するためという狙いもあったと考えますが、21改定でその「赤字」は解消できるでしょうか。
特に厳しい経営を強いられているのは1人ケアマネをはじめとした小規模事業者です。小規模事業者は、21改定の基本報酬引き上げだけでは、「赤字」脱出は厳しいかもしれませんね。

もっとも、正確なところは調査してみないとわかりません。昨年に新設した協会内のシンクタンクで調査し、数値を出した上で、今後の活動の基礎資料にしたいと思っています。

■独立性と「開業権」の存在意義を高める「逓減制の緩和」
―21改定では、居宅介護支援費の逓減制の適用件数が40件以上から45件以上に緩和されました。
どんな制度改正でも、反対と賛成があるように、この緩和についても前向きにとらえる人と否定的にとらえる人がいます。
それでも私としては、この緩和には一定の意義を見出しています。

例えば、ケアマネと同じように1人からでも開業できる権利(開業権)がある医師について考えてみてください。医師には「一カ月に診る患者は何人まで!」などという上限はありません。

開業権を認められている以上、「顧客」を何人担当するのかも、それぞれの事業所の経営者であるケアマネに任されるべきです。それこそが本来の在り様だと思うのです。

―すると、担当件数の制限は撤廃すべきとお考えですか。
いえ、すぐにはそうはいかないと思います。どの法人の傘下にもない、完全に独立した居宅介護支援事業所は、それほど多くはありませんから。この状況で担当件数の上限を撤廃してしまうと、居宅介護支援事業所を傘下に置く法人が、ケアマネに無理な担当件数を押し付ける可能性もあります。このリスクを思えば、担当件数に一定の上限を設けるのは、やむを得ないでしょう。

それでも、居宅介護支援事業所の独立性を高め、開業権の存在意義を高めるきっかけという点で、今回の緩和は評価できるのではないでしょうか。

■インフォーマルサービスの活用へ、自治体に期待したいこと
―「がんばったケアマネはがんばった分だけ報酬が得られる仕組み」を作り上げる上での第一歩になり得るということですね。もう一つ、21改定で注目すべき点としては、「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」という要件が特定事業所加算に追加された点があげられます。この新要件はインフォーマルサービスの活用を強く促すような内容といえると思うのですが。
その要件には「必要に応じて」という前提が明示されています。我々が導入を求めた前提ですが、この文言が入っている以上、新たな要件を前に「保険外を検討する必要があるのか」と悩んでいるケアマネがいれば、はっきりと伝えたいです。「あくまで利用者の立場に立ってケアマネジメントすることを心掛けてください」と。

ちなみに、インフォーマルサービスの活用は、積極的に進めるべきとは思います。ただ、ここで気になるのは自治体の姿勢です。

―どういうことでしょうか。
インフォーマルサービスの活用を進める以上、基礎自治体は、管内のインフォーマルサービスのリストを作り、居宅介護支援事業所に提供するくらいの支援はあってもいいと思うのです。

保険内サービスのマネジメントだけでも大変なのに、どこにどんなサービスがあるのかもはっきりしないインフォーマルサービスまで自力で探し出し、利用者に提案するというのは、さらに大変なことですから。

―特定事業所加算といえば、新たな区分として「A」が設けられました。
小規模の事業者でも特定事業所加算を算定できる可能性が高まったという意味で、とてもありがたい改正でした。

さきほども述べましたが、ケアマネ事業所は1人でも開設が可能です。私は、この点をぜひ、維持していきたいと考えています。

―経営を安定させるために介護の事業者は大規模化すべきという意見もあります。
そういう声があることは認識していますが、協会としては、「1人ケアマネも選択できる介護保険制度」であってほしいのです。

当たり前のことですが、1人ケアマネといっても、なにもかも1人で仕事をするわけではありません。他のサービスの事業所はもちろん、他のケアマネ事業所とも連携しなければならない。事実、特定事業所加算Aの要件では、他の事業所との連携を促しています。

繰り返しになりますが、協会としてはケアマネが1人でも開業権を得られて、経営していける経営環境の実現を求め続けたいと考えています。

―通院における情報提供も評価されるようになりました。
これも評価すべき点でしょう。ただ、これだけでは足りない。例えば独居の認知症の方などの場合、ケアマネが訪問診療に同席し、情報提供する場合もあります。次の介護報酬改定では、そうした取り組みもきちんと報酬で評価してほしいと考えています。

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