今年も残すところあと3日。29日と30日は、この一年間、介護業界で注目された二つのテーマに関するニュース記事を集め、今年を振り返りたい。
今年前半の注目のトピックスは、なんといっても4月に施行された介護報酬改定だ。報酬全体の改定率はプラス0.7%。居宅介護支援の基本報酬も19単位から25単位引き上げられた。報酬全体より居宅介護支援の引き上げ率は高かった。
■サービス割合の説明が義務化
改定に伴い、運営基準も変更された。まず感染症の発生やまん延に備えた対策を講じることが、すべてのサービスの事業者に義務付けられた。居宅介護支援では、ケアプランに位置付けたサービスの割合を利用者に説明することがケアマネの義務となった。
■特定事業所加算に新区分と新要件
居宅介護支援の特定事業所加算が改変され、事業所間のさらなる連携を促す区分(A)が新たに設けられた。また、加算全体の要件として、「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援のサービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」が加わった。
■予防ケアプランに「委託連携加算」創設、逓減制は緩和
介護予防支援では、地域包括支援センターが抱える介護予防ケアマネジメントの業務委託を促進するため、「委託連携加算」が創設された。単位数は、月300単位(利用者1人につき1回まで)。地域包括支援センターが、介護予防ケアマネジメント業務を委託した居宅介護支援事業所に必要な情報を提供し、介護予防ケアプランの作成などに協力した場合、委託した業務が始まった月に限って算定できる。
さらに、ケアマネジの担当件数が40件以上になると、居宅介護支援費の単位数が下がる「逓減制」が一部緩和。ICT機器の活用や事務職員の配置を行っている場合、逓減制の適用件数を「40件以上」から「45件以上」に緩和する「居宅介護支援費(II)」が新設された。
■医療との連携強化へ「通院時情報連携加算」創設
利用者の通院に同行し、情報提供などを行ったケアマネを評価する「通院時情報連携加算」が新設された。さらに退院などに向けてケアマネジメント業務を行ったにもかかわらず、利用者の死亡でサービスの利用につながらなかった場合でも、居宅介護支援事業所は基本報酬を算定できるようになった。一方、規模が大きなデイサービスの給付管理は、より複雑化した。