居宅介護支援事業所で働くケアマネジャー(居宅ケアマネ)の平均年収は300万円にも届かないことが、ケアマネジメント・オンラインの調査で分かった。給与所得者全体の平均年収に比べると130万円余りも低い。また9割余りの回答者は、来年2月から始まる介護職の賃上げの対象から外れる見通しである点に厳しい目を向けていることもわかった。
ケアマネジメント・オンラインでは、11月30日から賃金に関する緊急アンケート調査を実施。6日までに868人のケアマネから回答を得た。
その結果、給与については、次の結果が示された。
・平均給与(月収)は20万8560円
・平均賞与(年間)は46万6011円
・平均年収は296万8731円
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は433万円。回答した居宅ケアマネの平均年収は、130万円余り低いことになる。
労働環境と給与について尋ねた質問では、「不満がある」(「大変不満がある」と「やや不満がある」の合計)が43.0%となり、「満足している」(25.9%、「大変満足している」と「やや満足している」の合計)を17.1ポイント上回った。「どちらともいえない」は31.1%だった。
■介護の賃上げの対象外…9割余が「反対」
岸田政権は、来年2月から介護職員らを対象に緊急の賃上げを実施するが、居宅ケアマネは、その対象から外れる見通しだ。この施策の賛否を尋ねた質問では、「反対」が91.4%で、大多数を占めた。