次の医療計画や介護保険事業計画などが始まる2024年度に向け、経団連は12日、医療・介護制度改革に関する新たな提言を発表した。介護分野については、2割負担の利用者の対象拡大や“ケアプラン有料化”などを改めて求めている。
経団連は、高齢者の医療費と介護給付費の増加が、現役世代の保険料の伸びにつながり、現役世代の負担の上昇を抑える観点から、さらなる改革に取り組む必要性を強調。24年度は、第8次医療計画、第4期医療費適正化計画、第9期介護保険事業計画が同時にスタートするため、「これに間に合うように制度改革を実行し、計画に反映すべき」としている。
介護分野については、介護保険制度の創設から20年が経ち、介護給付費や受給者がそれぞれ約3倍に増加したと指摘。今後さらなる増加が見込まれていることから、制度の持続可能性を確保するため、▽利用者負担2割の対象者拡大▽ケアマネジメントへの利用者負担の導入▽要介護1・2の利用者における生活援助サービスの地域支援事業への移行―の3つの改革の実現を求めた。また、テクノロジーの活用などによる介護現場の生産性の向上も重要課題として挙げた。
さらに、政府の「社会保障制度改革推進本部」が来年1月で設置期限を迎えることから、改革の推進役となる機関の設置も併せて要望した。