高齢者の6人に1人が認知症になるとされる現在、懸念されるのが高齢者の財産管理をめぐるトラブルだ。利用者の生活を支えるケアマネジャーも、このトラブルと無縁というわけにはいかない。ケアマネジメントオンラインの調査では、ケアマネの8割近くが、財産トラブルに巻き込まれた利用者を担当したことがあることがわかった。
ケアマネジメントオンラインでは8月21日から31日にかけて、アンケート調査を実施。居宅介護支援事業所や地域包括支援センターのケアマネ559人から有効回答を得た。
担当している利用者の中に、認知症などで財産管理能力が不十分な人がいるかどうかを尋ねた質問では、「いる」と答えたケアマネが78.2%に達した。
■比較的目立つ「押し売り」や「家族」による被害
実際に利用者が巻き込まれた財産管理上のトラブルや被害について複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「本人が(金品などを)紛失した」(46.9%)。
また、「自宅訪問(押し売りなど)」(43.3%)や「家族(親族による金銭の使い込みなど)」(32.6%)、「電話(オレオレ詐欺など)」(18.1%)のように、悪意を持った他者が利用者の財産を脅かしているという答えも一定数、確認された。
一方、「インターネット(携帯やパソコンでの課金トラブル)」(4.3%)や「泥棒」(2.9%)などの被害に遭った利用者を担当したケアマネは比較的少数だった。
担当する利用者が被害に遭ったことはないという回答は22.5%。8割近くのケアマネは、財産をめぐり、何らかのトラブルを抱えた利用者を担当していたことになる。=グラフ=