新型コロナウイルスのワクチン接種が急ピッチで進められる一方、在宅の要支援・要介護高齢者の中には、接種したくてもできない人が一定数存在することが、ケアマネジメントオンラインの調査で分かった。調査では、在宅の現場で活動するケアマネジャーの約15%が、ワクチン接種したくてもできていない利用者を担当しているなどの結果が示された。
ケアマネジメントオンラインでは、8月13日から23日にかけてアンケート調査を実施。居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護に勤務するケアマネ494人から回答を得た。
「担当する利用者の中で、新型コロナウイルスのワクチン接種をしていない人はいるか」との質問に対し、「いる」と答えたケアマネは67.2%(332人)。「いない」は28.9%(143人)、「接種したかどうかを把握していない」は3.8%(19人)だった。
「ワクチン接種をしていない利用者がいる」と答えたケアマネ332人に、希望しているにも関わらず、ワクチン接種ができていない利用者がいるかどうかを尋ねたところ、「いる」と答えたケアマネは72人だった。
14.6%のケアマネが、ワクチン接種をしたくてもできない利用者を担当していたことになる。
■100人に1人が「接種したくてもできない」?
また、ワクチン接種をしたくてもできない利用者を担当していたケアマネに、その人数を尋ねたところ、合計は134人となった。一方、調査に回答したケアマネが担当する利用者の合計は1万4753人。在宅の要支援・要介護者の100人に1人程度は、ワクチン接種をしたくてもできない可能性があることが示唆された。
ケアマネジメントオンラインでは、昨年の季節性インフルエンザのワクチン接種の状況についても調査。季節性インフルエンザのワクチン接種を希望したのに、接種できなかった利用者を担当していたケアマネは2.2%(11人)いたことや、そうした利用者の数は22人いたなどの結果が示された。=表=
新型コロナウイルスについては、ワクチン接種をしたくてもできない人が、季節性インフルエンザに比べて多いことが見て取れる。
政府によると、これまでに全国民の約半数が2回の新型コロナウイルスワクチンの接種を終了した。65歳以上では9割近くが2回の接種を終えている。