医師の手書き「読めなかったことがある」9割超

手書きで主治医意見書を作成するなら楷書で―。このほど改正された主治医意見書の手引きに改めて盛り込まれた内容だ。その文字が判読しがたいことがあるとの意見を踏まえた改正だが、実際、ケアマネジャーの9割超が、医師の手書きの文書を判読できなかった経験があることが、ケアマネジメントオンラインの調査で分かった。回答したケアマネからは「看護師や市役所職員に解読をお願いする」など、なんとか判読するために独自の工夫を凝らしているという声も寄せられた。

厚生労働省が先月、改正・周知した主治医意見書の記入の手引きでは、手書きで同意見書を記載する場合、「なるべく難解な専門用語を用いることは避け、楷書で平易にわかりやすく記入」することを求めている。特に楷書による記入については、先月末の改正で追記された。

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この改正を踏まえ、ケアマネジメントオンラインでは8月19日から26日にかけて会員にアンケート調査を実施。212人から回答を得た。
主治医意見書など、医師が手書きで記載した書類の文字が読み取れなかった経験の有無について尋ねた質問では、「ある」が94%を占めた。「ない」「わからない」「医師の手書きの書類を見る機会がない」はいずれも2%だった。=グラフ=


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ほとんどのケアマネが医師の手書きの文字を読めなかった経験をしていたことになる。

看護師や市役所職員に解読をお願い
自由記載では、「全く読めず、市役所職員が別紙に解読してくれたことがあります」(50歳代男性、奈良)や「文面の解読に困り、その病院の看護師に事情を説明し教えてもらうがありました」(30歳代男性、大阪)「数字か漢字かの区別もつかず、医師の字を見慣れている看護師さんに読んでもらうこともあります」(50歳代女性、北海道)など、読めない文字を看護師や市役所職員に判読してもらったというエピソードが複数寄せられた。

■読めればいい方?!…「癖が強い」「暗号」
また、「蛇のような字でごちょごちょ書いてある事が多くて毎回判読するのに時間がかかる。時間がかかっても読めればまだいい方です」(30歳代女性、千葉)「文字が判読できないケースは多々あります、暗号ですね」(50歳代男性、東京)「癖が強くてなんとか読もうと試みたが読めず、ほかのケアマネにも聞いたが分からなく諦めたことがあった」(50歳代男性、千葉)など、どうやっても読めそうにない文字に苦しんでいるという声も多かった。

どうしても読めなければ、その医師がいる病院や診療所に問い合わせるしかない。実際、「主治医の署名が読み取れず名前がわからないため、病院へ直接問い合わせることはよくある」(50歳代女性、愛知)など、ひんぱんに問い合わせをするという人も一定数いた。しかし、中には「勇気をもって再確認しましたが主治医本人も読めませんでした。(笑)」(40歳代男性、岩手)という声も。

■電子入力のさらなる普及が期待されるが…
パソコンなどの電子入力がさら普及すれば、手書きの文書を見る機会が減り、この問題も抜本的に解決する。事実、「規模の大きい病院ではPCで改めて(文書を)作成する職員がいるよ」(40歳代男性、青森)という例もあるようだ。また、「最近は手書きの意見書は少なくそれほど困ることはない」(40歳代女性、北海道)という声もあった。

だが、今回のアンケートでは「医師の手書きの書類を見る機会がない」と答えたケアマネは2%にとどまっている。

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