居宅の利用者が入院…病院が「欲しいのに得られない情報」は?

自宅などで生活する要介護者が入院する際、担当するケアマネジャーからの情報提供は、病院にとっても有益だ。国は、報酬面からもこうした情報のやり取りを後押ししているが、それでも「生活に困窮しているかどうか」や「退院した後、本人がどのような生活を送りたいかの希望」など、病院にとっては「欲しいのに得られない」情報が、決して少なくはないことが国の調査で明らかになった。

調査は、昨年度の老人保健健康増進等事業として全日本病院協会が手掛けた「早期地域療養移行支援パス作成に関する調査研究」の一環として行われた。全国から病院1600ヵ所と居宅介護支援事業所1000カ所を抽出した上で、昨年11月から12月にかけてアンケートを実施。病院359カ所、居宅介護支援事業所350カ所から回答を得た。

■病院が欲しい情報は「生活困窮の有無」や「退院後の希望」
アンケートでは、病院に対し、利用者の入院時に居宅介護支援事業所が提供してくる各種の情報について、重要性と充足度を尋ねた。その結果「特に重要」と考える病院が7割を超えているにも関わらず、「十分な情報が得られないケースが多い」と考える病院が25%を超えていた情報は、次の4項目だった。

「生活困窮の有無」「退院後の(生活に関する)家族の希望」「退院後の(生活に関する)本人の希望」「家族と本人の関係(疎遠であるかどうかなど)」

■居宅が欲しい情報は「傷病の見通し」など
また、居宅介護支援事業所に対し、利用者が退院する際、病院が提供する各種の情報の重要性と充足度も調べた。その結果「特に重要」と考える居宅介護事業所が7割以上あるのに、「十分な情報が得られないケースが多い」と考える事業所が25%を超えた情報は、次の3項目だった。

「傷病の見通し」「退院後に必要なリハビリテーション」「退院後に必要な医療処置の内容」

■入退院時の情報共有など「統一ルールを」
調査では、病院・居宅介護支援事業所の両方に、連携や情報共有のルールを作成する上で、地域性を考慮しているかどうかも尋ねた。その結果、病院・居宅介護事業所とも「ない」との答えが75%を上回った。

さらに、病院・居宅介護支援事業所の両方に情報連携のルール化についてもアンケートした。具体的には、「病院・有床診療所から、ケアマネジャーらへの退院予定に関する伝達の時期」や「入院時にケアマネジャーらが患者について入院先の病院・有床診療所に伝達すべき情報の内容」など18項目について、地域を超えた統一のルールが望ましいか、地域の個別事情に応じたルールが望ましいかを尋ねた。その結果、ほぼすべての項目で全国統一ルールの設定を望む声が多数となった。

これらの結果を踏まえ、調査研究の報告書では、患者の入退院時における医療機関と居宅介護支援の間の連携や情報共有については、「異なる市町村間や地域間であっても、一定程度の統一性をもったルールが整備される必要がある」と提言している。

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