公正中立なケアマネジメントのための取り組みの一環として、厚生労働省は、ケアマネジャーがケアプランに位置付けた訪問介護や通所介護などについて、同じサービス事業者の割合がどの程度あるのか、利用者に説明することを運営基準上で義務付ける方針を固めた。
一昨年春の居宅介護支援の運営基準の見直しに伴い、ケアマネは、ケアプランに位置付けた以外のサービス事業者の紹介が可能であることに加え、利用者に尋ねられた場合は、その事業者を選んだ理由も説明することが義務となった。
厚労省は先月26日の社会保障審議会介護給付費分科会で、居宅介護支援事業所が作成したケアプランのうち、▽訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護の各サービスを位置付けた割合▽4つのサービスの提供回数全体に占める同一事業者の割合(直近6カ月間)―について、ケアマネから利用者に説明することを運営基準で明示し、その内容を同省の「介護サービス情報公表システム」に公表することを提案した。
同省案に対して、連合・総合政策推進局生活福祉局長の伊藤彰久委員は、「『みんな、系列のデイサービスやヘルパーを使っている』と説明されれば、逆に納得するのではないか。これが公正中立につながるのかは疑問に思う」と指摘した。
同省老健局認知症施策・地域介護推進課の笹子宗一郎課長は、4つのサービスが特定事業所集中減算の対象であることも踏まえた提案だとした上で、「利用者へ説明する事項や、システム上に掲載する事項については、ご指摘も踏まえてさらに検討して参りたい」と述べた。