ケアマネの担当件数の変更などが焦点に―一巡した改定議論

社会保障審議会介護給付費分科会で来年春の介護報酬改定を見据えた議論が始まっておおよそ半年。これまでに、すべてのサービスの課題や論点が示され、議論も一巡目を終えた。今後は、示された論点や課題に基づき、より本格的な議論が始まる。それに先立ち、ケアマネジャー居宅介護支援に深く関わるポイントについて振り返りたい。

居宅介護支援についての本格的な議論が始まったのは、8月の同分科会だ。厚生労働省は、「公正中立なケアマネジメント」や「ケアマネジメントの質の向上」「質の高いケアマネの安定的な確保」「地域包括支援センター介護予防ケアマネジメント業務(予防ケアプラン)を外部委託しやすい環境の整備」などの実現を目指し、議論を進めることを求めた。

■「基本報酬引き上げ」賛成意見が大勢だが…
まず、委員の間で大勢を占めたのは「居宅介護支援の基本報酬を引き上げるべき」という意見だった。基本報酬の引き上げに明確に反対する意見は出なかった。今のところ、次の改定で基本報酬が引き上げられる可能性は高いといえる

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ただし、基本報酬の引き上げを求めた委員の多くは、居宅介護支援事業所の平均の収支差率が“赤字”であることを理由としていた。そのため、最新のデータで収支差率が“黒字”に転じた場合、引き上げを求める潮流が弱まる恐れもある。

各サービスの最新の収支差率を示した介護事業経営実態調査の結果が示されるのは10月末の予定だ。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などもあり、11月にずれる可能性もある。


(社会保障審議会介護給付費分科会。感染対策のためオンラインで開催されている)

■「35件」と「40件」の変更が焦点に
今後の議論の行方が注目されるが、ケアマネが担当する利用者の数だ。

現在の標準担当件数は、ケアマネ1人(常勤)に対し、35件となっている。また、ケアマネ1人の担当件数が40件を超えた場合、基本報酬の単価が引き下げられる「逓減制」が設けられている。

同分科会の議論では、ケアマネ不足の実情に対応するためにも、標準担当件数を引き上げたり、逓減制の件数を変更したりすることを求める声が上がった。その一方、ケアマネジメントの質を担保する観点から、慎重な意見を述べる委員もいた。

■どこまで積み増される?予防ケアプランの単価
予防ケアプランについては、多くの委員が、居宅介護支援事業所への委託をさらに促進するため、単価を引き上げるべきとする意見を述べた。また、業務の簡素化を求める声も相次いだ。

予防ケアプランの単価がどの程度まで積み増され、どの程度まで業務が簡素化されるのか―。この点も、年末までの議論の焦点といえる。

■「通院同行」への評価などにも注目
そのほか、同分科会ではケアマネの通院同行を報酬で評価すべきという意見や、居宅介護支援事業所でのICT整備を助成すべきとする意見も出ている。いずれも、今後の議論で検討される見通しだ。

さらに厚労省は、老健居宅介護支援事業所のケアマネが、利用者の入所前に連携することで、老健に滞在する期間が短くなったとするデータも提示している。老健居宅介護支援事業所のケアマネの入所前の連携も、報酬で評価される可能性がある。

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