居宅の栄養改善、加算取得は低調 次期改定の論点に 

来年春の介護報酬改定に向け、社会保障審議会介護給付費分科会は14日、介護保険制度の根幹を成す「自立支援と重度化防止」をテーマに議論を行った。厚生労働省は、2018年度の改定で新設した「栄養スクリーニング加算」などの算定率が低い点などを指摘し、居宅の要介護高齢者の栄養状態を適切に改善するための方策を論点の一つとして挙げた。


オンラインで行われた分科会

「栄養スクリーニング加算」は、管理栄養士以外の介護職員らが、体重やBMIといった利用者の栄養状態を確認し、ケアマネジャーと文書で情報共有した際の報酬で、通所介護や通所リハビリに加え、グループホーム小規模多機能型居宅介護なども対象となっている。

同省は、18年度における同加算の算定率が、最も高かった通所リハビリでも5.7%にとどまっていると指摘。通所介護はわずか1.1%だった=表=。


厚労省の資料より抜粋
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通所介護事業所に算定しない理由を複数回答で尋ねたところ、算定要件となっている「『利用者の栄養状態について6カ月ごとの確認を行う』体制が構築できないから」(32.1%)が最も多く、次いで「加算算定に必要な記録文書の作成が職員の負担となるから」(29.9%)などと続いた。

一方、算定による成果のトップは、「利用者の栄養状態の変化や改善する方法に対して、職員がより関心を持ち、気付くことを重視するケアができるようになった」(61.4%)で、「記録を通してケアマネジャーと相談して判断できることが、利用者のケアプランに反映されるようになった」「記録を通して事業所からケアマネジャーに早めの気付き情報が伝達され、かかりつけ医等につなげることがしやすくなった」(いずれも34.1%)が2番目に多かった(複数回答)。

18年度の改定では、通所介護や通所リハビリにおける「栄養改善加算」の要件が緩和され、外部の管理栄養士との連携でも算定できるようになったが、同省が通所介護事業所に行った調査では、外部を含め管理栄養士を確保できないとの声も上がった。

こうした点など踏まえ、同省は「居宅における栄養改善の取り組みは低調であり、介護職員等による栄養スクリーニングの実施や管理栄養士の確保に課題がみられる」との現状認識を示した上で、居宅の要介護高齢者の口腔機能や栄養状態を効率的に把握し、低栄養などの改善につなげるための方策を論点の一つとして掲げた。

日本介護支援専門員協会副会長の濱田和則委員は、「(施設では)歯科医師、歯科衛生士などの歯科専門職や管理栄養士、薬剤師も含めた多職種で関与することで、肺炎発症、体重減少や低栄養などのリスク低減につながっているという結果が出ている。居宅においても、これらの専門職が関与できる環境整備のさらなる検討が必要だ」と述べた。

◎厚労省のホームページ

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