特別養護老人ホーム(特養)の経営者らで組織する全国老人福祉施設協議会(老施協)は、来年春の介護報酬改定に向けた要望書を厚生労働省老健局に提出した。特養の基本報酬の引き上げや介護従事者の処遇改善に加え、介護予防ケアマネジメント(予防ケアプラン)の委託費の“上限”を撤廃することも求めている。
地域包括支援センターが予防ケアプランを外部に委託する場合の単価は、予防給付の報酬単価が事実上の“上限”となっている。
この点について老施協では、委託費が低く抑えられていることが、予防ケアプランの外部委託が進まない背景にあると指摘。実際の労務に見合う委託費とすることや、委託費に人件費相当額を上乗せするなど、現状の“上限”の撤廃につながる改善を求めている。
■特養の基本報酬引き上げや処遇改善加算の充実も要望
特養の基本報酬については「昨今の人件費をはじめとするコスト増を反映しきれていない」と指摘。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた対策強化で出費がかさんでいることもあり、基本報酬の引き上げを強く求めた。
介護職員処遇改善加算や介護職員等特定処遇改善加算については、さらに拡充が必要とした。また、他職種にも柔軟に配分できるよう、加算のルールを見直すことも求めている。
そのほか「地域の人件費などを踏まえた地域区分の見直し」「訪問介護事業所の事業継続に向けた基本報酬の充実と労務環境改善」なども要望した。