19日の社会保障審議会介護給付費分科会では、前回に引き続き、来年春の介護報酬改定に向けた関係団体へのヒアリングが行われた。この中で四病院団体協議会(四病協)は、国が進める入院日数の短期化に伴い、ケアマネジャーが退院後の在宅生活の準備をする時間が不足している現状があるとして、医師の判断などでケアマネジメントプロセスを簡素化できる仕組みの検討を求めた。
オンラインで開催された分科会
四病協は、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会(医法協)、日本精神科病院協会の4団体で構成され、この日は、医法協の鈴木邦彦副会長が代表して発言した。
鈴木副会長は、「退院が決まってから退院するまでに1~2日というケースも多い」と指摘し、退院時カンファレンスの参加やアセスメントの実施、サービス担当者会議の開催など、全てのケアマネジメントプロセスを行うのは「現実的に困難だ」と述べた。
2018年度の介護報酬改定に伴い、病状が急変しやすい末期がんの利用者については、ケアマネが主治医の助言を得ることを前提として、サービス担当者会議の開催など、ケアマネジメントプロセスの一部が省略できるようになった。鈴木副会長は、「退院時にも、医師が関与する形で緩和するような対応が必要ではないか」と主張し、分科会での議論を促した。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省が、訪問以外の手段でサービス担当者会議などに対応することを容認している点に触れ、平時のオンラインでの対応も認めるよう求めたほか、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護のケアマネが、利用者の入院時に病院に情報を提供した場合は、居宅介護支援と同様、入院時情報連携加算を算定できるようにすることも併せて要望した。