日本介護支援専門員協会は、このほど開いた社員総会で2020年度の事業計画を公表した。重点的に取り組む事柄として、ケアマネジャーの処遇改善の実現や、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験者数の激減を踏まえた対策の検討などを掲げている。7日、今年度の事業計画について説明した七種秀樹副会長は、特にケアマネの処遇改善について「1人ひとりに届く形にしなければならない」と強調。ケアマネを目指す人を増やすためにも、処遇改善の実現が必要とする認識も示した。
20年度、日本介護支援専門員協会は「次期介護保険制度改正・介護報酬改定に向けた取り組みの推進」や「ケアマネ試験の受験者激減を踏まえた中長期的な対策の検討」「生涯学習体系の構築や人生会議の推進、AIを活用したケアマネジメント支援機能の技術向上への協力・参画」「『介護離職ゼロ』へ向けた取り組みの普及・啓発」「各都道府県支部との連携強化」などを重点課題と位置付けた。
このうち「次期介護保険制度改正・介護報酬改定に向けた取り組みの推進」について七種副会長は、特に介護報酬によるケアマネの処遇改善の実現を重視する姿勢を明示。具体的にどのような形での改善を目指すかについては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で居宅介護支援事業所の経営環境も悪化していることから、基本報酬の引き上げが最も望ましいとした。ただし、一人ひとりのケアマネの処遇改善を実現することこそが大切とし、状況によっては基本報酬ではなく、加算などでその実現を目指す考えも示した。
■ケアマネ試験の受験者激減「深刻な問題」
また七種副会長は、18年度以降、ケアマネ試験の受験者が激減したことについては「深刻な問題」と改めて指摘。ケアマネの魅力を高めるためには、現場の教育体制の充実やハラスメント防止策の実施などとあわせて、処遇改善の実現も不可欠とする見解を示した。