新型コロナウイルスの感染防止の観点から、ケアマネジメントにおいても、さまざまな緩和策が講じられている。こうした緩和策は介護保険最新情報などによって各自治体に周知されているが、現場のケアマネジャーらからは、その趣旨を十分に反映しない「ローカルルール」の存在を指摘する声も上がっている。ケアマネジメント・オンラインの調査では、約15%のケアマネが、そうした「ローカルルール」に悩まされていることがわかった。
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厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から利用者の自宅を訪問できない場合、介護報酬を減算しなくてもよいとする方針を示した。同様の観点から、サービス担当者会議については、利用者の自宅以外での開催や電話・メールの活用など、柔軟な対応が可能となっている。モニタリングについても、柔軟な運用が認められている。
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こうした状況を踏まえ、ケアマネジメント・オンラインでは、居宅介護支援事業所で働くケアマネに対し、新型コロナウイルスの感染拡大前と同様のルールの順守を求められたことがあるかないかを尋ねた。その結果、14.6%のケアマネが「ある」と回答した。
■特定警戒都道府県でも「訪問しなければ減算」
「ある」と答えたケアマネからは、次のような声が寄せられた。
「特定警戒都道府県に指定されているのに、利用者宅への訪問は通常通りとの指示があった。また、モニタリングや担当者会議を開催しなければ減算とのことだった」
「『モニタリングは、必ず本人と面談しないと、減算します』と言われた」
「『モニタリングのための自宅訪問をしないのは、新型コロナウイルスの発生していない地域ではありえない』と包括から指導を受けた」
また、「利用者や家族からの強い要望が無い限り、通常通り訪問するよう、通達があった」や「感染が急増していたにも関わらず、利用者が来ないでと言わない限り訪問のモニタリングをするよう指導された」など、利用者からの拒否がない限り、訪問によるモニタリングを求められるとする声も数多く寄せられた。
さらに、「市町村からの指示はなく、すべて事業所の判断に任された」や「行政に相談したが、『初めての事なのでどうすればいいかわからないので回答できない』との返事だった」など、かつてない事態に、現場だけでなく自治体側も混乱していることを示唆する声もあった。