日本介護支援専門員協会(日本ケアマネ協会)は、発出された介護保険最新情報などの中から、ケアマネジャーの業務に関連するものを選び、そのポイントを図などにまとめて公表した。22日までの介護保険最新情報などを盛り込んだもので、同協会がこうしたまとめを公表するのは、2回目だ。まとめでは、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ケアマネ1人当たりの担当件数が40 件を超えた場合や利用者の居宅を訪問できなない場合でも、減算の対象にならないことなどが、根拠となる介護保険最新情報などとともに示された。
今回のまとめを踏まえ、ケアマネジメント・オンラインでは、同協会の柴口里則会長に、その狙いなどについて緊急インタビューした。
■多忙なケアマネを支え、感染拡大を防ぐため
―協会がこうしたまとめを作るのは2回目です。改めて、その狙いを教えて下さい。
柔軟な対応が認められた制度運用を正確に把握してもらい、利用者とケアマネが新型コロナウイルスに感染することを防ぐ。それが大目的です。当然ですが、簡素化できる業務を紹介することを目的としたものではありません。
―特にどのような人の利用を想定していますか。
日々の業務で忙しく、国が発出する介護保険最新情報を把握しきれないケアマネは、ぜひ、読んでほしいですね。3月末以降、介護保険最新情報が次々と発出されている上、医療や介護の現場は過去に例がない感染症との戦いで混乱していますから、そうした人も増えているのではないでしょうか。逆に言えば、介護保険最新情報の内容をきちんと把握し、説明できる人は、このまとめを見る必要はありません。
ただし、介護保険最新情報をきちんと把握している人でも、行政と話し合いをする場合には、このまとめを携えていくといいかもしれません。4月のこのタイミングだと、行政の担当者の中には、介護保険関連の部署に異動したばかりの人もいるでしょう。その上、各自治体は新型コロナウイルスへの対応で手いっぱいです。つまり、不適切なローカルルールが生まれやすい状況にあるのです。事実、柔軟な運用が認められている特定事業所加算の要件について、自治体職員が十分に認識していなかったという事例も耳にしています。
感染拡大防止に加え、不適切なローカルルールを生み出さないためにも、このまとめをうまく使ってほしいですね。
■「とっさの判断」のために目指した分かりやすさ
―とても分かりやすいまとめですが、その分かりやすさが、誤解を招きかねないとの声もあります。
シンプルで分かりやすい表現にしたのは、ケアマネがとっさの判断に迷わないようにするためです。感染と隣り合わせの在宅の現場では、とっさに厳しい判断を迫られる瞬間が、少なくありませんから。また、シンプルな表現とともに、介護保険最新情報の該当部分も明記してあります。併せて読めば、誤解は生じないはずです。
―新型コロナウイルスとの“戦い”は、まだ続きます。今後、協会はどのような取り組みで現場のケアマネを支援する方針でしょうか。
今後の取り組みについては、状況を見据えながら、協会の新型コロナウイルス感染症対策本部などで検討していくことになるでしょう。ただ、制度の運用に関する介護保険最新情報や事務連絡は、今後も次々と出てくるでしょうから、そうした情報を少しでも早く、そしてわかりやすく、会員に届ける取り組みは継続します。