AIに仕事奪われる? ケアマネの未来考える研修会 埼玉

日本介護支援専門員協会の南関東ブロック研修会がこのほど、さいたま市内で開かれた。テーマは「未来のケアマネジメントを考える~AIとICTの可能性~」。埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県の支部による共催で、合わせて90人の会員が参加した。

研修会では、国際医療福祉大の赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長で、政府の未来投資会議・構造改革徹底推進会合で副会長(医療介護分野)を務める高橋泰氏が基調講演を行った。


AIケアプランの将来性について話す高橋氏

「仕事を奪われる」など、AI(人工知能)を警戒するケアマネジャーもいる中、高橋氏は「人工知能は、何でもできる万能プログラムではない。少なくとも現在は、1種類の情報処理しかできない」と指摘。その上で「こういうサービスをしたら『良くなった』『悪くなった』というデータを結び付けて、どのサービスを組み合わせたら『良くなる可能性が高い』『悪くなる可能性が高い』とうことはわかるが、皆さんがやっている個別相談は、21世紀が終わってもおそらく無理だ」と述べた。

ケアマネが1カ月に担当できる利用者の数は、35件が事実上の上限となっているが、高橋氏はAIやICTを活用し、ケアマネの業務の生産性を高めることで、この上限を撤廃することは可能との見方を示し、「ケアマネの給料アップにもつながる」との持論を語った。

■日頃から顔の見える関係が重要

その後のシンポジウムでは、神奈川県介護支援専門員協会の青地千晴理事長、千葉県介護支援専門員協議会の植野順子さん(ハーブランド介護サービス統括管理者)、東京都介護支援専門員研究協議会の岡島潤子さん(やさしい手・コンサルティング事業本部参与)がそれぞれ登壇した。


シンポジウムで発言する参加者

青地理事長は、「AIケアプランを導入しても、ケアマネの専門知識とコミュニケーションスキルは必要不可欠で、今後も求められる。ケアマネはそこをしっかりやらなければならないと思う」と述べた。

植野さんは、千葉県柏市で6年前から導入されている医療介護連携情報共有システム「カシワニネット」について説明。同システムでは、295人のケアマネにIDやパスワードが付与されているが、実際の利用者は昨年末時点で68人にとどまっている。

植野さんは、「ICTは、非常に便利なツールだと思うが、やはり日頃から顔の見える関係があるからこそ活用できる」と指摘し、多職種による関係づくりを今後の課題として挙げた。

■「意見を言うのは、目で確かめてから」

一般社団法人「東京都ケアマネジャー実践塾」を主宰する岡島さんは、ケアプランAIをテーマにした勉強会を開いた際、参加した9割のケアマネの考え方が変わり、AIを前向きに捉える意見も増えたことを紹介した。

AIをめぐる国の動きか活発化する中、岡島さんは「嫌がらずにAIを見てみましょう。意見を言うのは、自分の目で確かめてからにしてほしい」と訴えた。また、「ITとICTの違いとか、AIと他のテクノロジーの違いとか、こういうものがわからなければ、いくら聞いても意味がない」と指摘し、ケアマネ自身が基礎知識を身に付ける必要性も強調した。

さらに、「AIは自ら学習して育つと言われるが、開発に当たっては、やはり現場の知恵を借りなければならない。ケアマネがAIを育てるという意識が必要だ」とも述べた。

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