今、ケアマネジャーは、制度や報酬の行方より、現場での人手不足に強い関心を持ち、危機感を抱いている―。ケアマネジメント・オンラインの調査によって、そんなケアマネの意識が浮き彫りとなった。
今年、注目するキーワードを上位3つまで選択してもらう質問では、「人手不足(ケアマネ不足を含む)」が48.2%と、半数近いケアマネが高い関心を持っていた。
ケアマネの平均年齢は、既に約50歳に達している。そんな中、2018年度のケアマネ試験の合格率は史上最低の10.1%となり、合格者数も5000人に届かなかった。厚生労働省によると、19年度のケアマネ試験の合格率や合格者数も、大きな改善は見込めないという。
ケアマネは、他の職種にも増して深刻な高齢化に悩み、新たな担い手の確保に苦しんでいるといえる。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省は昨年、ケアマネの「賃上げ」を提案。処遇改善と併せて事務負担の軽減など、ケアマネが働く環境の整備の必要性も指摘している。「賃上げ」の具体的な内容については、今年開かれる社会保障審議会介護給付費分科会で検討される見通しだ。
■「AI活用」などに注目するケアマネも
次いで注目されたのは、「ケアプランの有料化」(42.2%)。「AIやICT(情報通信技術)の活用」も、33.2%が注目した。
そのほか「国家資格化」(32.4%)や「書類削減」(29.5%)に注目するケアマネも一定数見られた。=グラフ=