全世代型会議が触れない介護の負担、見えないプラン有料化の行方

介護だけでなく医療や年金、労働など、社会保障制度の方向性を決める政府の全世代型社会保障検討会議(全世代型会議)が、中間報告の取りまとめに向けた協議に入った。その主な焦点となっているのは75歳以上の人の医療費の窓口負担。「ケアプラン有料化」や「2割負担や3割負担の対象者拡大」など、介護保険サービスの負担については、あまり検討されていない。一方、介護保険法の改正を議論する社会保障審議会介護保険部会では、取りまとめに向けた検討課題に「ケアプラン有料化」が掲げられた。しかし、同部会の委員の賛否は割れたまま。明確な方向性が見えないまま、詰めの議論が進んでいる。

先月26日、全世代型会議は、中間取りまとめに向け、4回目の会合を開いた。会合で示された医療介護に関するテーマは次の通り。

医療
・大きなリスクをしっかり支えられる公的保険制度の在り方
(後期高齢者の自己負担割合の在り方、外来受診時の定額負担の在り方、市販品類似薬の保険上の取扱い)
医療提供体制の改革

【予防・介護
・保険者インセンティブの強化、データ利活用、健康経営等を通じた健康寿命の延伸の在り方
介護現場の生産性向上支援の在り方、介護従事者の確保の在り方


(先月26日の全世代型社会保障会議、首相官邸のホームページより)

このうち、主な焦点になっているのは「後期高齢者の自己負担割合のあり方」。つまり、75歳以上の医療費の窓口負担の引き上げだ。介護では、負担に関するテーマはない。当日の議論でも、「ケアプラン有料化」や「2割負担や3割負担の対象者拡大」について、突っ込んだ意見を述べた委員はいなかった。

■根強い導入論、自民議連は導入けん制
もっとも、全世代型会議の中間取りまとめに盛り込まれないからと言って、ケアプラン有料化の見送りが決まったわけではない。政府の方針である「骨太方針2018」や「改革工程表2018」で、ケアプランの給付の在り方を検討する趣旨の内容が示されているからだ。

ケアプラン有料化の導入を急ぐべきとする声は根強い。例えば、先月25日、財務省の審議会が2020年度の予算編成などに向けて取りまとめた意見書では、ケアプラン有料化の導入が改めて提言された。

その一方、自民党の「日本ケアマネジメント推進議員連盟」は先月28日、ケアプラン有料化について、慎重な検討を求める決議を取りまとめた。決議では、仮にケアプラン有料化が導入される場合、それによって得られる財源は「全額をケアマネジャーの処遇改善や資質向上など、質の高いケアマネジメントを実現するための取り組みに充てること」と提言。その導入をけん制した。

ケアプラン有料化については、政府や与党も、明確な方向性は示し切れていないといえる。

介護保険部会の取りまとめ、両論併記も?
そんな中、介護保険法の改正について具体的な議論が行われている社会保障審議会介護保険部会では、年末の報告書の取りまとめに向けた議題の一つに「ケアプラン有料化」を掲げた。

同部会では、「現役世代の理解を得、利用者本位のケアプラン作成を実現するため前向きに検討すべき」や「他のサービスでは利用者負担があることを踏まえ、一定の利用者負担導入を検討すべき」など、導入に賛成する意見がある一方、「サービスの入口での利用控えが危惧される中で、拙速な導入は反対」など、反対する委員も多い。年末まで1カ月を切った現段階でも、部会として一定の方向を打ち出すのは難しい状況だ。それだけに、同部会の報告書は、賛成・反対の意見を並べて明確な方向を示さない「両論併記」となる可能性もある。その場合、導入の是非は、報告書を参照した上での政治決着となる。

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