主マネ=優秀?質の担保求める声も―管理者要件で議論

居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネジャーに限定する要件の完全適用が、6年先送りされる見通しとなった。主任ケアマネの資格を持たない管理者からは、安堵の声が聞こえてくる一方、要件そのものを疑問視する声も根強い。今後の養成に向けては、研修のカリキュラムや受講料などの課題もある。先日開かれた社会保障審議会の分科会では、主任ケアマネの質を担保するため、受講後の「修了テスト」の義務化を求める意見も出た。

主任ケアマネは、2006年春の介護保険法の改正に伴って創設された。その後、研修の受講者数は徐々に増え、17年度時点の累計で6万8361人に上るが、ここ数年は減少傾向にある=グラフ1=。厚生労働省によると、17年度の修了者数の全国平均(1自治体当たり)は、新規が96人、更新が217人となっている=グラフ2=。


グラフ1
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グラフ2
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研修を受講するためには、▽常勤専従のケアマネとして働いた期間が通算5年以上▽国や都道府県が実施するケアマネジメントリーダー養成研修を修了▽日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーで、常勤専従のケアマネとして働いた期間が通算3年以上―のいずれかを満たす必要があり、完全適用が6年延びた背景には、「通算5年以上」の要件がある。

■更新の受講料格差、最大5.2倍!

厚労省によると、17年度の受講料の全国平均は、新規が4万3690円、更新研修が3万4670円だが、都道府県による格差が目立つ=グラフ3=。新規の場合、最低の秋田(2万996円)と最高の広島(6万2000円)との間に3倍の開きがある。さらに更新研修に至っては、最大で5.2倍だ。ここまで差が広がっている理由は、受講者数の大小に加え、それに伴う会場の数や立地などによるものだという。


グラフ3
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国は「地域医療介護総合確保基金」を活用して、都道府県の費用負担をサポートしているが、同省によると、17年度に基金を利用したのは、新規が17都府県、更新研修が14都府県にとどまっている。

■主マネ管理者、「利用者の効果知りたい」

15日に開かれた社会保障審議会介護給付費分科会では、21年3月末時点で主任ケアマネの資格を持たない人が、同じ事業所で管理者を続ける場合に限り、管理者要件の適用を6年延長することが了承された。


管理者要件について議論した15日の分科会

委員から、受講料の格差の是正を求める声が相次ぐ中、主任ケアマネの質を問う発言をしたのが、日本慢性期医療協会会長の武久洋三委員だった。

武久委員は、「主任ケアマネがいない事業所をゆくゆくは認めないということは、大前提として、主任ケアマネが優秀でなければいけない」と指摘。その上で、「ケアマネになる時は非常に厳しいが、主任ケアマネは、役目の重要さの割に、研修に行ってじっと座っていれば、とりあえずもらえる」「主任ケアマネがいないと居宅が開けない時代がもうすぐそこへ来ているのに、ただ(研修に)行って、眠っていたらオーケーというのはちょっとまずいと思う」などと述べ、受講後の「修了テスト」の実施を提案した。

また、認知症の人と家族の会理事の鎌田松代委員は、「私たち利用者・家族は、主任ケアマネである結果として、どんな効果を及ぼしているかを知りたい」と述べ、利用者側を対象とした調査の実施を厚労省側に求めた。

一方、日本医師会常任理事の江澤和彦委員は、「本来、管理者というのは、働き方改革の視点も含めた労務管理であったり、場合によっては人間関係の調整であったり、いわゆるケアマネ業務以外の業務が発生してくる」と指摘し、更新研修の内容の充実を要望。小泉立志委員(全国老人福祉施設協議会理事)は、「さまざまな事業所での経験や視点を持って、アセスメントや利用者と接することも重要なスキルだ」として、他の事業所との兼務期間も「5年以上」に含むよう求めた。

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