介護保険制度の要と位置付けられるケアマネジメント。その担い手であるケアマネジャーの6割超が、ケアプラン作成などに利用者負担がない点を高く評価していることがケアマネジメント・オンラインの調査で分かった。一方、主任ケアマネ制度やケアマネの更新制度については、半数近くが評価していなかった。
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「居宅介護支援制度に関する以下の項目のうち、評価できると思えるもの」を複数回答で尋ねた質問では、「利用者負担なしでサービスを使える」を選んだケアマネが64.8%となった。「施設には施設の、居宅には居宅のケアマネジャーがいる」(32.3%)や「事実上、35人未満に担当利用者が限定されている」(29.1%)なども、他の項目よりも高い評価を集めた=グラフ1=。
この回答に関する自由記述には「利用者負担がないのは一番の魅力だと思う」や「拒否されることなく携われる」「介護保険サービスの利用増につながる」「中立的な立場で助言ができる。本人・家族の言いなりにならずに済む」など、利用者負担がないことがもたらすメリットを書き込むケアマネが多かった。
また、「介護保険設立当初は担当件数に上限がなく、細かな関わりが出来ない状況にあったが、件数制限が出た事で担当全員に対しきちんと関わる事ができるようになった」や「35人以上を受け持つとなると実質しっかりとしたケアマネジメントができない」といった意見もあった。
■半数のケアマネ、現状の資格の在り方を問題視
一方、居宅介護支援制度の中で評価できないものを複数回答で尋ねたところ、「主任ケアマネジャー制度」が51.2%で最多となった。次いで多かったのは「ケアマネ資格の更新制度」(50.7%)、「居宅介護支援専門員の資格のあり方(受講資格や国家資格ではない点など)」が45.8%となり、半数前後のケアマネは、現状の資格の在り方を問題視していることが分かった=グラフ2=。
この回答に関する自由記述では、「主任ケアマネをとるための要件が本当にそれでいいのか検証が不十分。人間性に問題のある人も多くみられる」「受講したら、誰でも主任ケアマネジャーになれる」「ケアマネ更新や主任については、研修内容がひどすぎるし、費用などが高すぎる」など、主任ケアマネや更新のための研修に対する厳しい声が特に多かった。
■平成、「いい時代」は3割にとどかず
「介護や福祉という分野にとらわれず、平成という時代を振り返った時、どのように感じますか」の問いに対し、「いい時代だった」と答えた人は28.8%。「悪い時代だった」(10.8%)よりも多かったものの、「中途半端な時代だった」(29.2%)と答えた人とあまり数は変わらなかった。最も多い回答は「わからない」(31.2%)だった=グラフ3=。