今月末で終了する医療保険の「維持期リハビリ」の経過措置に関して、厚生労働省は、「維持期リハビリ」を提供する医療機関が新たに通所リハビリなどを行う場合、9月末までに自治体に書類が受理されれば、4月1日付で事業所の指定を受けたとみなすことができるようにする。介護報酬についても、同日までさかのぼって請求できるようにすることで、患者が継続的にリハビリを受けやすい環境を整備する。
同省が3月15日付で出した2018年度介護報酬改定に関する疑義解釈(Q&A)で明らかにした。
今月末の経過措置の終了に伴い、医療機関は4月1日以降、要介護・要支援者に対して外来で行う「維持期リハビリ」の診療報酬を算定できなくなる。同じ医療機関内で介護保険のリハビリを行うことも可能だが、届け出の手続きなどで時間がかかり、患者へのリハビリの提供に支障が出るおそれがある。
今回のQ&Aで同省は、「維持期リハビリ」を行っている医療機関が4月1日以降、訪問リハビリや通所リハビリ(いずれも介護予防を含む)の事業所の指定を受けようとする場合、同日時点で要件を満たしていれば、9月末までの間は「4月1日までに指定があったものとみなして差し支えない」とする見解を示した。
また、介護報酬を算定する際の届け出についても「4月時点で算定要件を満たしていれば、同様の取り扱いをして差し支えない」とした。医療機関が9月末までに提供する介護保険のリハビリについては、保険給付の時効期限となる2年間、4月1日までさかのぼって請求できるようになる。
■1時間未満のリハビリでも算定可
Q&Aでは、「維持期リハビリ」を受けている患者が新たに通所リハビリを始める場合、9月末までに限り、通所リハビリの提供時間が1時間未満でも、「1時間以上2時間未満」の単位数を算定することとして差し支えないとした。
介護保険の通所リハビリの報酬は時間単位(1~2時間など)で設定されているのに対し、医療保険のリハビリ料は20分ごとに点数が決まっており、1時間に満たずにリハビリが終わることもある。厚労省は今回、新たに通所リハビリを始める医療機関が、時間単位のリハビリに慣れるための準備期間として、経過措置を設けることにした。