2月27日に開かれた日本在宅介護協会東京支部のセミナーでは、株式会社QOLサービス代表取締役で「月刊デイ」編集長である妹尾弘幸氏も講演を行った。妹尾氏は、「介護保険法改定による影響と対策」をテーマに、自らもデイサービスなどを運営する立場として、介護報酬改定を受けて、今後、デイサービスをどう展開していくべきか、説明を行った。
妹尾氏は、「特色あるデイ、効果の出せるデイづくり」のアクションプランとして、次の7点を提示。
1)規模の確定 加算の確定など 処遇改善計画
2)デイ内容改善
リハビリ・運動 + 在宅支援 + アルファー
3)改善準備(物品準備・人員確保・勤務体制決定)実行
⇒職員の技術アップ(リハビリケア 認知症ケア ほか)
4)特色PR
5)職員満足度向上計画 実行
6)利用者ニーズにこたえる自費部分の拡大
7)自己負担増を織り込んだサービス展開
また、デイサービスにおける特色の打ち出し方としては、「特定のメニューを提供する」、「メニューに特色がある」、「システムに特色がある」、「デイのコンセプトに特色がある」などの方向性が考えるとした上で、自身の株式会社QOLサービスが運営するデイサービスで行っている具体例をいくつか紹介した。
小規模型の「ビューティデイサービス」では、ランチにフルコースやバイキングスタイルを取り入れたり、毎日フレッシュジュースを提供したりと、食事に工夫。
「多機能リハビリセンターありがとう」では、在宅支援を考慮した環境・プログラム、システムづくりを特色とし、プールが設置されていたり、リハビリメニューを用意していたりと、「機能」改善に関するメニューが充実。また、「ADL」向上のために、浴室はすべて個室で、あえて一つひとつ異なるつくりになっているという。
定員10名の民家型小規模デイ「ありがとう春日デイサービス」では、社会貢献プログラムを用意。「要介護になっても世の中の役に立てる」ことを実感できるよう、デイの利用者が、近隣の公園の清掃を行ったり、雑巾を縫って小学校・保育園に寄付するなど、ボランティア活動を取り入れていることを紹介した。
このほか、サービス付き高齢者向け住宅にも言及し、「要介護者を確保できるため、利用者の確保につながり、経営が安定する」と述べ、補助金が交付されているうちに運営することを勧めた。また「(サービス付き高齢者向け住宅を運営している)事業所と組むことも可能」と伝えた。
要支援者、2次予防事業対象者に対して、介護予防や生活支援サービスなどを総合的に提供する事業である「介護予防・日常生活支援総合事業」については、「自治体判断で平成24年度から実施可能」となっているなか、「単体ではなく、複数の事業者が組んでグループでも良いので関わることが重要」とアドバイス。理由として、「今後は公募になるだろう。そうなった場合、実績がある法人が選ばれやすくなる」と述べた。
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