トロミ調整食品などの高齢者・介護対応食品を製造・販売している日清オイリオグループ株式会社は、昨年12月に実施した『介護食に関する調査』の結果を発表した。
調査は、飲み込む機能が低下している60歳以上の要介護者(要介護度1〜3)を在宅で介護し、介護食を介護者本人が作っている100人を対象に実施。
調査の結果、介護食を作るさいに工夫しているのは、主にむせの原因になる食材のかたさや大きさ(61%)であり、お茶や汁物など水分のトロミに注意している人は少ない(27%)ことが明らかになった。その一方で、要介護者の約8割は食事中にむせの経験があり、その主なタイミングは食事を食べているとき(49.4%)だけではなく、お茶や汁物など水分をとるとき(29.1%)であると答えている。
このことから、食材の形状だけでなく食材中の水分やお茶などを飲むときのトロミにも注意して食事を提供することが、むせを防ぐ介護食作りのポイントであることがわかった。
専門家も、「嚥下機能が低下した人にとって、お茶や汁物さらに煮汁などの液状の食べ物は誤嚥を引き起こしやすく、むせの原因になる。汁気の多い料理やお茶などに、少しトロミを付けることで、液体が喉にゆっくり入っていくので、誤嚥の防止に役立つ」とアドバイスしている。
■関連記事
・こんにゃくゼリーに罪はない――摂食・嚥下障害セミナーリポート
・高齢者の約6割が口腔乾燥状態で、コミュニケーション困難者もーー民間調査