厚生労働省は12日の社会保障審議会介護給付費分科会で、来年10月に予定されている消費税率の引き上げに合わせ、福祉用具貸与の上限となる価格を引き上げる案を示し、大筋で了承を得た。また、基準費用額(施設の食費・居住費)についても、税率の引き上げに伴う影響分だけを上乗せする案が示され、大筋で了承が得られた。
介護保険サービスは、福祉用具の購入や住宅改修などを除き、非課税となっている。介護報酬は公定価格のため、事業者は、増税によるマイナス分を価格に反映させることができず、例えば、介護用品を購入すると、増税分の負担としてそのままのしかかる。このため、過去の消費増税時には、国が影響額を推計した上で、負担増分を介護報酬の引き上げによって補てんしてきた。
(社会保障審議会介護給付費分科会)
来年10月の消費税率引き上げ時の対応については、サービスごとの費用に占める課税経費の割合を算出した上で、その数字などを基に基本報酬に単位を上乗せする方針が示されている。また、区分支給限度基準額についても、引き上げられる見通しだ。
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12日、厚労省は2017年度の「介護事業経営実態調査」に基づき、サービスごとの費用に占める課税経費(介護用品費や委託費など)の割合を提示した=表=。この課税経費割合が高いサービスほど、上乗せされる単位数は増えることになる。上乗せされる単位数などは、今年度内には提示される見込み。
また、厚労省は基準費用額について、税率引き上げによる影響分を現行の基準費用額に上乗せする案も提示。併せて福祉用具貸与の上限の価格についても、税率引き上げ分を引き上げる案を示した。一方、負担限度額については、見直さないとした。
厚労省の提案について、委員はおおむね前向きに評価した。