2017年度に介護予防サービスや介護サービスを利用した人の数は、前年度に比べて10万人近く減ったことが、厚生労働省の調査で分かった。介護予防サービスの一部が、市区町村が実施する総合事業に移行された(注)ことが影響した。利用者数が減るのは11年振り。
厚生労働省は17年度に介護予防サービスや介護サービスを利用し、国から給付を受けた人の数を調査した。
その結果、17年度に介護予防サービスや介護サービスを利用した人の総数は604万1200人で、前年度と比べると9万6900人減った。制度変更に伴う介護予防サービス(利用者数は122万8100人、前年度比18.1%減)の利用者の減少が影響した。介護サービスの利用者は509万5800人(前年度比2.4%増)だった。
■居宅介護支援は8.6万人増
介護サービスのうち、居宅介護支援の利用者は8万6300人増え、353万2000人となった。前年度からの増加率は2.5%。訪問介護や通所介護などを含む「居宅」のサービスの利用者は385万1000人(同3.1%増)、特別養護老人ホームなどの「施設」の利用者は126万6000人(同1.2%増)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などを含む「地域密着型」の利用者数は115万1000人(同2.8%増)だった。
特に定期巡回・随時対応型訪問介護看護(同21.2%増)や看護小規模多機能型居宅介護(同30.7%増)などで利用者の増加が著しかった。
一方、訪問入浴(同2.6%減)や介護老人保健施設の短期入所療養介護(同1.2%減)などでは利用者が減った。
■一人当たりの費用、都道府県間に約3万円の“格差”
介護サービスの受給者1人当たりの費用を都道府県で比較すると、最も高いのは沖縄の21万2600円だった。次いで高いのは石川(20万8100円)、鳥取(20万7900円)の順となった。一方、最も低いのは北海道(18万3800円)で、沖縄と北海道の“格差”は2万8800円となった。
(注)2015年度の介護保険法改正で要支援の人が利用する介護予防訪問介護や介護予防通所介護が、市区町村が運営する「総合事業」に移行された。「総合事業」への移行は今年3月末で終了した。