AI×ケアプランで日本初の大規模実験―福岡市、ケアマネ協会も支援

介護関連ベンチャーの「ウェルモ」(福岡市)は9月から、同市と福岡県介護支援専門員協会の協力で、開発中のAI(人工知能)でケアプラン作成を支援する実証実験を開始すると発表した。同市内に487カ所ある全事業所に過去のケアプランのデータ提供を依頼し、それをAIに学ばせるほか、一部の事業所に試作品を使ってもらい、精度などを検証する。政令市では日本初となる大規模なもので、ケアマネジャーの職能団体がAIの実証実験を支援するのは初めて。

AIやIoTといった先端技術を活用して、社会課題の解決などにつなげようと、福岡市などが行っている「実証実験フルサポート事業」の一環で、27日に同社のプロジェクトが採択された。

同社のAIのコンセプトは、介護福祉士や看護師理学療法士など、基礎資格によって異なるケアマネの知識や経験の差をなくすこと。これを実現させるため、同社では、国のガイドラインや多職種の参考書などのデータをAIの心臓部となる「CPAエンジン」に学ばせている。

ケアマネが利用者のアセスメントの情報を入力すると、AIはケアプラン第2表の「解決すべき課題」の候補を文章ごと提案。それを修正すると新たな文案が示され、最終的にサービス内容に落とし込むイメージだ。ケアプラン作成中、AIは関連する専門知識も提供するため、教育支援ツールとしても活用できるという。将来的には、介護事業所の推薦までを行うシステムの構築を目指している=図=。



※ウェルモ提供、クリックで拡大

■利用者の課題に合う事業所も提案

実証実験では、福岡市と福岡県介護支援専門員協会の協力の下、同市内にある地域包括支援センター59カ所と居宅介護支援事業所428カ所に、過去のケアプランのデータ(アセスメント、第2表、第3表、第5表を含む)の提供を依頼。同意した事業所のデータを、同社側が匿名化した上でAIに学ばせる。また、同社がケアプランの傾向などを分析し、自立支援の観点で作成できているかどうか、参加事業所内での位置付けなどの情報を示すことで、今後の業務に役立ててもらう。

さらに、一部の事業所に試作品のAIを使ってもらい、文章の精度やケアマネの満足度などを検証するほか、同協会の会員を中心としたワーキンググループを設置し、AIが提案する文章の精度などについて、専門職の立場からアドバイスしてもらう。

同社は、介護事業所の検索サービスも運営しており、同市内のデイサービス事業所の8割超に当たる408カ所の職員体制やケアの情報などを持つ。実証実験では、このデータベースとケアプランを関連させ、利用者の課題に合った事業所をAIが提案できるかどうかも試みる。

同社では来年秋にも、ベータ版のAIのサービスを提供する方針で、実証実験の開始に向け、同協会で会長を務めるグリーンケア専務取締役の柴口里則氏を顧問として迎える。代表取締役CEOの鹿野佑介氏は28日に東京都内で行った記者発表で、「ケアプランの文章表現は研修によっても変わる。幅広いデータを集め、対応できる表現に幅を持たせたい」と語った。


記者発表で実証実験の説明をする鹿野氏

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