全国的に厳しい暑さが続いた7月に熱中症で救急搬送された人の数が、前年同月の2倍超となる5万4220人に上り、2008年の調査開始以降、月間の搬送者数としては過去最多となったことが、総務省消防庁の調べで分かった。このうち65歳以上の高齢者の数は、全体の半数近くとなる2万6269人で、昨年(5-9月)の搬送者数の2万5930人を既に上回っている。
消防庁によると、7月に全国で救急搬送された人の数は5万4220人で、前年同月に比べて2万7518人増えた。このうち、特に厳しい暑さとなった7月16-22日の搬送者数が全体の4割超に達した。
年齢区分別で最も多かったのは高齢者の2万6269人(前年同月比1万2932人増)で、全体の48.4%を占めた。搬送時の症状は、入院を伴わない「軽症」が全体の6割超に上り、発生場所は、敷地内を含む「住居」が42.8%でトップだった。また、人口10万人当たりの搬送者数を都道府県別で見ると、岡山が74.94人で最も多く、以下は岐阜(67.13人)、京都(66.08人)、奈良(65.31人)、群馬(64.16人)などと続いた。
同庁では、「引き続き厳しい暑さが続く見込みなので、日陰や涼しい場所で休憩を取ったり、こまめな水分補給を行ったり、屋外では帽子をかぶったりすることなどを心掛けてほしい」としている。