医師に認知症と診断されれば、免許取り消しなどの処分となることなどを定めた改正道路交通法が施行されてから1年間で、免許の取り消しや停止の処分を受けた人は約1900人いたことが、警察庁の調べで分かった。また、「認知症のおそれがある」と判定された人は5万7000人余りに達した。
昨年3月に施行された改正道路交通法では、75歳以上の高齢者が免許更新の際、「認知症のおそれがある」と判定されると、医師による診断を受けなければならない。そして、医師が認知症と診断すれば、高齢者の運転免許は停止されるか取り消される。
警察庁によると改正道路交通法が施行された昨年3月12日から今年3月31日までに、「認知機能検査」を受検した人は210万5477人。そのうち「認知症のおそれがある」と判定された75歳以上のドライバーは5万7099人だった。
その後、医師の診断を受けた人は1万6470人で、診断を受けた人のうち、免許の取り消しや停止となった人は1892人だった(※)。一方、免許が継続となった人は1万3063人だったが、条件なしの継続となったのは3500人で、9563人は「今後認知症になる恐れがある」などとされ、半年程度してから、改めて診断書の提出が必要と判断された。
■昨年1年での自主返納は42万人超
また、「認知症のおそれがある」と判断された人のうち、診断を受ける前に免許を自主返納した人は、1万6115人いた。なお、年齢に関わらず昨年1年間に運転免許証を自主返納した人は42万3800人いた。
※そのほかの1515人は行政処分に向けた手続き中などの状態となっている。