厚生労働省は20日、介護保険最新情報vol.625として「生計困難者等の住まいにおける防火安全対策の助言等について」を発出した。
今年1月31日、高齢者を中心に11人の死者と3人の負傷者が出た札幌市での火災を受けての対応。今回の介護保険最新情報では、地方自治体に届け出が行われていない有料老人ホームや低額の宿泊施設など(未届け施設)について、福祉部局だけでなく消防部局や建築部局とも連携し、その実態把握に努めることとしている。
特に「10 世帯以上の高齢者世帯が居住し、かつ、介護が必要な方や障害がある方が複数居住している建物で、当該建物の所有者または管理者によって入居者に対して食事が提供されているもの」については、定期的な訪問調査計画を前倒しするなどして、防火対策を点検することを求めている。
さらに介護保険最新情報では、各自治体の福祉部局は消防部局や建築部局と連携し、防火対策について特に優先して助言や注意喚起を行う未届け施設を選定することも提示。優先的に注意喚起する条件も例示している。例示された条件は次の通り。
・1975年以前に新築された木造2階建て以上の下宿、寄宿舎または共同住宅で、延べ面積150平方メートル以上の施設
・3階建以上の建物で、階段室に扉が設置されていない▽避難経路の妨げになる物が大量に置かれ、1人が通行することもできない状況である▽各世帯に火災警報器が設置されていない▽外壁に木材が露出して使用されている▽灯油が大量に置かれている▽住室間の壁のうち、増設されたものがある―に多く該当する施設