在宅高齢者向け配食サービスの2017年度の市場規模は前年度比3.4%増の1412億円で、初めて1400億円を超える見通しであることが、市場調査などを手掛ける「TPCマーケティングリサーチ」(大阪市)の調査結果で分かった。一般向けの「普通食」が全体の8割近くを占める一方、「調整食」と「咀嚼ケア食」がいずれも伸びており、市場のさらなる拡大が見込まれる。同社では、18年度の市場規模を1484億円と予測している。
同社は昨年12月―今年2月、在宅高齢者向け配食サービスを提供する主要15社などを対象に調査を実施し、▽普通食▽調整食(カロリー調整、たんぱく調整、塩分調整など)▽咀嚼ケア食(やわらか食、ムース食、刻み食など)―の主に3種類の状況を調べた。
その結果、「普通食」が1089億円と全体の77.1%を占め、以下は「調整食」(16.6%)、「咀嚼ケア食」(5.8%)、「その他」(0.4%)と続いた。
「普通食」は前年度比2.3%増で、同社では、「フランチャイズ展開を行う企業が、過疎地域や離島など、配達空白地域のフランチャイズ企業の開拓と配送エリアの拡大に注力している。また商品面では、健康志向ニーズの高まりに対応し、栄養バランスに配慮した弁当や総菜セットの投入が活発化している」と指摘し、こうした動きが、新規顧客の獲得などにつながったとみる。
一方、「調整食」の市場規模は同7.8%増の235億円で、3種類の中で増加率が最も大きかった。糖尿病患者やメタボ対策向けの「カロリー調整食」が全体の6割強を占め、同社では「近年は、日中の在宅率の低下を受け、冷凍タイプの弁当・総菜セットを取り扱う企業の参入も相次いでいることから、今後も市場拡大が期待できる状況にある」としている。