全国3カ所に設置されている認知症介護研究・研修センターのうち、大府センター(愛知県大府市)は、「大府センター式」コミュニケーションパックとして、パーソン・センタード・ケアの理念をもとに、地域包括支援センター職員が介護家族との相談場面で活用するツールを公開している。内容は2008年・2009年度の独立行政法人福祉医療機構「長寿・社会福祉基金」助成事業により実施されたものの一部となっている。
「大府センター式」コミュニケーションパックとは、主に介護家族と地域包括支援センター職員が、認知症のご本人の行動の理由を知るために、背景となるいくつかの要因に沿って考え方を整理することができるツール。認知症を取り上げたテレビ番組などでも、認知症家族の新しい介護方法として「パーソン・センタード・ケア」(センター方式)が紹介されるなど、ここにきて一般の介護家族からも急速に注目が集まっている。
公開されているのは、使い方マニュアル、記入例&事例(1)、記入例&事例(2)、相談シートの4つのファイルから成り、いずれもpdfファイルとしてダウンロードが可能。
「相談シート」とは、介護負担を感じている家族に、「本人はどのような気持ちで行動しているのか」を5つの視点から問いかけ、認知症ご本人の行動の背景や思いなどを知ることで、介護家族の視点の転換を図り、介護負担を軽減できることを期待たもので、認知症家族の悩み解決の最も重要なカギとなる。
懇切丁寧な「使い方マニュアル」も付属しており、地域包括支援センターの職員のみならず、認知症のご利用者をかかえるケアマネジャーなど、介護分野の対人支援職にとって、非常に役立つツールとなっている。
■業務に役立つダウンロード集
●大府センター式認知症相談シート
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