総務省消防庁は、9月16日、2010年8月の熱中症による全国の救急搬送状況(速報値)をホームページで公表した。今年8月の熱中症による救急搬送者数は全国で28,448人となり、昨年の8月に比べると4.38倍(6,495人)にのぼった。
熱中症による救急搬送者の年齢区分をみると、65歳以上の高齢者が13,050人(45.9%)と最も多く、次いで成人(18歳以上65歳未満)12,406人(43.6%)、少年(7歳以上18歳未満)2,802人(9.8%)の順だった。
熱中症により搬送された医療機関での初診時における傷病程度をみると、入院を必要としない「軽症」が58.7%、軽症・重症以外の「中等症」が34.8%、3週間の入院加療を必要とする「重症」が3%で、「死亡」は62人(0.2%)いた。初診時死亡者数は昨年の7.75倍(8.8人)に達しており、昨年に比べ熱中症被害が急増したことがわかる。
都道府県別人口10万人当たりの熱中症搬送人員は、鳥取県が最も多く約36人、次いで新潟県、岡山県が続いた。
同省では、温度に対する皮膚の感受性が低下した高齢者は、暑さを自覚しにくくなるため、屋内においても熱中症になりやすいとして注意を呼びかけている。