
救急車で運ばれてきた、高齢の女性とお嫁さんの一幕
お嫁さんはお仕事をしていて、ほとんど日中お家にいません。
その日の遅い午後、いつもの時間にご自宅に戻ったところ、玄関の奥のほうでお義母様が倒れているのを見つけました。
「どうしたの?」という声掛けに、「腰が痛くて動けない」との返事。
どうしたらいいのかわからず、救急車で病院に受診しました。
背中のレントゲンを見ると、背骨の骨一つ一つが欠けている状態。
「これは痛いねぇ」と先生。
ところが、治療できるものでもないとのこと。
痛みを防ぐためには、痛みをこらえて動き、筋肉を強くすることが最善だとの説明でした。
それまでは、「痛い」と言いながらもご自身のことを何でもしていたその女性。
介護保険サービスは使っていなかったとのこと。
「こんな状態では家では見れません。」とお嫁さん。
先生は「病院に入院することで、より動けなくなります。そのまま帰れなくなるかもしれませんよ。」とお話しされました。
結局、お嫁さんの強い要望で入院が決まりました。
私は、このやり取りを見て、在宅サービスがもっと早くに介入していたら違ったかもしれないと思いました。
訪問介護のサービスでお母様のご様子を誰かが見るだけでも、早くに発見できたでしょうし、リハビリを受けることで痛みのコントロールができたかも知れません。
お義母様のご様子だと、入院中は安静となり、看護師の介入は乏しくなることが予測されます。寝たきりや、認知症が始まるということも否定できません。
相談窓口を把握しておく。介護体制を予防的に整えておく。このような準備が、住み慣れた地で長く生活するためには必要です。
また、病院に入院するとどんな治療が行われるのか、どんな体制で看てもらえるのか。
事前に情報収集されると、いざ介護を必要としたときの心構えや方針が明確になるのではないでしょうか?




