
「漢方薬は自然の生薬からできているから安心」
と思い込んでいるヘルパーさんは多いのではないでしょうか。
服用している利用者自身も特に気にしていないことが多いでしょう。
代表的なものは低カリウム血症。
これは血液中のカリウム濃度が低下してしまうもので、顔や手のむくみ、尿量減少、体重増加、脱力感、筋力低下、筋肉痛、こむら返り、頭痛、のぼせ、肩こり、手足のしびれやこわばり、吐き気、嘔吐、食欲不振などが主な症状です。低カリウム血症をおこす可能性がある漢方薬は、カンゾウ(甘草)を含んでいるもので、現在、使われている医療用漢方製剤の約70%がカンゾウを含有しているそうです。漢方薬を併用している場合は、重複しかねないので注意が必要です。
ほかにも漢方薬の副作用としては、空咳、発熱、労作時の息切れ、動悸、頻脈、めまい、悪心、不眠、イライラ、多汗、下のしびれなどがありますが、漢方薬の場合は、発症してすぐに薬の減量や服用中止を行えば大事に至ることはほとんどありません。
ただし、医療知識のない者が、自分の狭い知識や経験から、利用者に対して不用意な発言をすることはNG。
先日、在宅医療を行っている医師から聞いたのですが、利用者が何か不調を訴えると「薬のせいかもね」と言ってしまうヘルパーやケアマネが多いとか。その言葉を信じて、服用をやめてしまうケースもあるそうです。
判断は医療職にまかせ、介護職は観察と気付きを心がけることによって、副作用の早期発見に努めたいですね。




