京都大学大学院医学研究科の佐藤弥特定准教授らの研究グループは、より強く幸福を感じる人は、脳の「楔前部(けつぜんぶ)」と呼ばれる部分の体積が大きいことを、世界で初めて明らかにした。
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研究グループは、成人を対象に、脳の構造を計測する磁気共鳴画像装置(MRI)と幸福度を調べる質問紙で検査を実施。すると、より強く幸福を感じる人ほど、右半球の楔前部の体積が大きいことがわかった。
また、快感情・不快感情の強度や、人生の目的を示す指標とも相関が認められ、ネガティブな感情を弱く、ポジティブな感情を強く感じ、人生の意味を見出しやすい人では、楔前部が大きいこともわかったという。
幸福を感じると楔前部の体積が大きくなるのか、体積が大きいから幸福を感じやすいのかは不明だが、瞑想トレーニングが楔前部の体積を変えるという研究報告もあり、科学的な幸福増進プログラムの開発の一助になると期待される。
◎京都大学 研究結果
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/151120_1.html