
昨年春、ご自宅に大腸がんの手術後退院されてきた方と1年と少しの間お付き合いさせていただいております。
退院当初は立ち上がることも難しい状況でしたが、看護師の介入で簡単なストレッチから始め自信がもてたところで、リハビリを開始しました。
現在は大好きな音楽活動をはじめ、友人との時間を過ごしに外出するなどして、ご自身の時間を楽しんでいらっしゃいます。
つい先日、首のあたりにできものができていると受診したところ癌のリンパ節転移が見つかりました。
医師からは、手術をしても、内服加療しても、現在の体力では、功を奏すのは難しいだろうと説明をうけ、ご本人はそれから3日不安で眠れなくなり、数日の間に体重が2キロ減ってしまうということが起こりました。
ご本人にとっては、食事に時間がかかること。食欲が低下していること。
この先何が起こるかわからないことやこれからのことが不安であるとのことでした。
西洋医学の治療だけが治療ではありませんし、回復するための手段も一つではありません。
ご自身の体と相談し、何をすると調子が良いのかを見つけることが一番の治療になると感じています。
ご本人のお話を聴くと、ご友人と外食でフランス料理やお寿司、懐石料理などを召し上がると比較的食べられるとのこと。
時間をかければ必要な量、召し上がることができるとわかりました。
また、進行を遅らせるために漢方薬を導入してみようかと解決策を考えることができました。
解決したかどうかは結果でしかありません。ただ、ご自身がご自身の人生をどのように過ごすのかを見定める力が大切だと考えます。
私たち看護師の役割は、その方が問題の中に入り込むのではなく、問題を見つめ解決策をご自身で見つけられるよう信じて見守ることだと学ばせて頂きました。
この先も道しるべとして一緒に歩みたいと思いました。




