
在宅支援が叫ばれる中、当然のようにリハビリが重要視されるようになってきました。
リハビリとはそもそもなんでしょう?
「リハビリ」を辞書で引くと、長期療養者、身体障害者などを社会生活に復帰させるための指導・訓練と記されています。
では、高齢者に当てはめて考えた時、「リハビリ」とはどのようなイメージになるでしょう?
「社会生活」という言葉が引っ掛かりますよね?
社会生活とは、官公庁・会社・商社などに勤めたり専門の仕事を通じて生計を立てたりする社会人としての生活(新明解国語辞典)とされています。
高齢者の方の多くは社会生活を引退されています。
高齢者に対して「リハビリ」という言葉を利用する場合、概念を少し変えてとらえる必要がありそうです。
「生活改善」もしくは「生活の質の向上」などの意味合いが大きくなるのではないでしょうか?
一度失った機能を再び取り戻すためには大変なパワーが必要になります。そのパワーの源は「意欲」「やる気」や「動機」です。目的が無ければ、十分なパワーを発揮できません。
「社会生活」は大きな「目的」になり得ますが、引退されている場合、代わりの目的を持つことに苦労される方も少なくありません。
自信喪失につながってしまったり、あきらめてしまったり。そのことが、さらなる機能低下を招きかねません。
日ごろから、好きなことや興味のあるものを持っておくことはとても大切なことです。
また、実際にリハビリが必要な状況になった時には、小さなゴールをたくさん作ることが機能を回復し、生活の質を向上させることにつながります。
深刻にならずに、ゲーム感覚で機能回復に向かっていけたら気持ちが硬くならずに取り組めると思います。
住み慣れた地で生活しようと考えた時、ギスギスと固着して「しなければならない。」とか「してはならない。」なんて思っていると、息が切れて続きません。
長い目でゆっくりと向き合っていく新しいリハビリスタイルを満喫したいものです。




